ファイターズFAQ

このコーナーでは、川崎の保育問題、あるいはファイターズについて、よくある質問 (Frequently Asked Question)に、できるだけ分かりやすい形でお答えしていきたいと 思います。
この他にも質問募集中ですので、 ファイターズにききたいことがある方はメール掲示板コメントフォームから お気軽にどうぞ。



<全般>
Q1-1:ここはどういうFAQなんですか?
A1-1:川崎市の保育園や学童保育に関してはいろいろな情報が流れています。 そのひとつひとつを取り上げて、大本となった情報源をなるべく明らかにして、 ファイターズなりの視点で解説しようというのが、このFAQです。

Q1-2:川崎市の保育問題に関して「正しい情報」を提供してくれるんですね?
A1-2:ファイターズとしては「正しい情報」というよりも情報源が明らかで 「なるべく正確な情報」を提供したいと考えています。
 また、ファイターズとしてその情報をどう読むかについても解説はしますが、 それはあくまでも参考です。 正確な情報に基づいて各市民がそれぞれに判断を下してそれぞれのアクションを とっていただければというのがファイターズの希望です。

<待機児問題>
Q2-1:保育園入園待機率は川崎市が全国ワースト1と聞きました。本当ですか?
A2-1:その情報は正確ではないです。 「厚生労働省(旧厚生省)の平成11年度調査で川崎市の待機率が14.5%で、 政令指定都市の中で一番高かった」のです。 つまり、札幌市、仙台市、千葉市、川崎市、横浜市、名古屋市、京都市、大阪市、 神戸市、広島市、福岡市、北九州市の12都市の中で一番待機率が高かったのです。 なお、平成12年度のデータでは、川崎の待機児童率は8.6%となりました。
 これらのデータは以下のwebページで見ることができます。


Q2-2:じゃあ、川崎市より待機率が高い市町村があるんですか?
A2-2:川崎市より待機率が大きい市町村はあります。 厚生労働省2000年4月1日付けのデータですが、 たとえば宮城県の小牛田町で17.9%、 東京都の東村山市で18.0%、兵庫県の宝塚市で18.3%、埼玉県の朝霞市で18.2%、 兵庫県の三田市で19.5%、沖縄県の宜野湾市で22.1%、沖縄県の浦添市で25.4%などです。

Q2-3:都市部としては川崎市の保育園入所待機率が高いのは間違いないですよね?
A2-3:はい。政令都市のような大きな都市としては待機率が高いです。 平成12年度の8.6%という数字にしても、詳細に見ていけば0歳児の待機率が16.2%、 1〜2歳児の待機率が14.3%ですから、赤ん坊を抱える親にとっては深刻な問題です。 行政と市民で考えていく問題であることに間違いありません。

Q2-4:厚生労働省の調査では川崎市の待機児童は2,475人なのに、 川崎市は待機児童数は866人だと言っているそうです。 いったい、どうなっているのでしょうか?
A2-4:厚生労働省のデータでも2000年4月の川崎市の待機児童数は866人です。 上述した厚生労働省のwebページで確認することができます。 待機児童数2,475人という数字は、別のカウント方法による数字だと思われます。
 この2,475人という数字については、ファイターズ内でもさんざん議論されましたが、 いまだに誰がどのように数えたのか結論が得られていません。 詳細をご存知の方は是非ファイターズにご一報ください。
 なお、
日本共産党川崎市議団が出しているパンフレットには、 この2,475人という数字が上げられていますが、平成12年度10月1日の時点の数字だとしています。

Q2-5:川崎市は厚生省の通達に従わないで独自の方法で待機児童数を数えている と聞きましたが本当ですか?
A2-5:1999年の調査では、川崎市は厚生労働省の通達に従って調査を行いました。 しかし、2000年の調査では厚生労働省の通達に一部従っていないところがあります。 これに関しては厚生労働省保育課長も問題視している旨、全国児童福祉主管課長会議で 発言しています。 http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s9903/txt/s0308-1_18.txt

Q2-6:具体的に、川崎市は厚生労働省の通達のどこに従っていないのでしょうか?
A2-6:川崎市の待機児童の定義と、厚生省の待機児童の定義で食い違っている のは、2000年度(平成12年度)調査の場合、
  • 川崎式では、おなかま保育、地域保育園、保育ママ、の認可外保育の利用者をカウントしないが、厚生省式ならカウントする
  • 川崎式では、保護者が就労内定していなくて二ヶ月内に就労見込もない場合はカウントしない(ただし一人親世帯、生活保護世帯、市民税非課税世帯についてはカウントする)
という点です。
 川崎式では、親が産休中もしくは育休中の場合はカウントしていないので これを問題視する声もありますが、これについては厚生労働省が前述の調査を 行うに当たって各市町村へ通達した計数方式でもそうなっているので、 川崎独自というわけではありません。

Q2-7:厚生労働省式のカウントをした場合、平成12年度の川崎市の待機児童は何人になるのでしょうか?
A2-7:ファイターズで試算したところ、平成12年度4月1日現在で274人以上1503人以下 という結果になりました。ただし、厚生労働省の定義は非常にあいまいなため、 川崎の実状に照らし合わせて考えると、1140人(川崎式866+地域おなかま保育ママ274)というのが、 妥当な数字と思われます。 詳細はこちらをご覧ください。

Q2-8:児童福祉法第24条第一項には「保護者の労働」などの理由で「保育に欠ける」児童は 「保育所において保育しなければならない」とあります。 これだけ多くの待機児童が存在するのは、この法律に反するのではありませんか?
A2-8:児童福祉法第24条第三項には、申し込んだ児童が保育所の定員をオーバーするなど 「やむを得ない事由がある場合においては」、「児童を公正な方法で選考することができる」と 書いてあります。つまり申込みを選別して、保育所に入れない児童が出ることを容認しています。 ですから、この法律で行政責任を追及するのには限界があると考えられます。 「利用者を決めるのは自治体の義務だが、自治体に設置義務はない」という解釈ができるのですから。 詳しくは 堀勝洋「現代社会保障・社会福祉の基本問題」ミネルヴァ書房、P172をごらんください。
 児童福祉法第二十四条を以下に掲げておきます。

児童福祉法第二十四条 
1 市町村は、保護者の労働又は疾病その他の政令で定める基準に従い条例で定める事由により、その監護すべき乳児、幼児又は第三十九条第二項に規定する児童の保育に欠けるところがある場合において、保護者から申込みがあつたときは、それらの児童を保育所において保育しなければならない。ただし、付近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは、その他の適切な保護をしなければならない。
(中略)
3 市町村は、一の保育所について、当該保育所への入所を希望する旨を記載した前項の申込書に係る児童のすべてが入所する場合には当該保育所における適切な保育の実施が困難となることその他のやむを得ない事由がある場合においては、当該保育所に入所する児童を公正な方法で選考することができる。
(以下略)
なお、児童福祉法の全文は
こちらで読めます。

Q2-9:川崎市は待機児童を解消する気があるんでしょうか?
A2-9:少子化対策臨時特例交付金で、新しい保育園を三つ作って、 あといくつか増改築を行なっています。具体的には
  • 認可保育園を3園新設予定(少子化対策特例交付金)。 宮前(150)、高津(120)、多摩区(150)。合計420人定員増。
  • おなかま保育室を2か所新設。
  • 民間園の増改築による定員増。 11年度:2か所×30人=60人増、12年度:7か所×30人=210人増。 (中原区:多摩・井田・長寿・新日本。多摩区:龍厳寺・第二厚生愛児園。麻生 区:柿生の各保育園)
などの施策を打っています。
 また、3月6日の川崎市議会三月定例会において、高橋市長は待機児童は2002年度は ゼロになるとの見方を示しています。この市長発言が守られるのかどうか、 川崎市民として注意深く見守る必要があると思います。
 読売新聞2001/3/7川崎版にもこれに関する記事が出ているので、 ファイターズの方でもweb化していますが、具体的な数字などに混乱があって注意を 要するところがあります。 (読売新聞記事は
こちら