川崎市の2000年4月1日現在の、厚生省定義による待機児数を考える

待機児童数に関する厚生省の定義と、川崎市の定義を比べてみます。
  厚生省式 川崎式 備考
求職中の場合 保護者の状況を考慮して、一律に除外せずにカウント 就職内定、低所得、生活保護、一人親世帯についてだけカウント
高福祉的要因
(170人)
就職内定 10人
低所得 36人
生活保護 70人
一人親 54人
福祉的要因が高くない 363人
合計 533人
認可保育所以外で保育 待機児にカウント 川崎市の助成制度の下にある地域保育園、おなかま、保育ママで保育されていればカウントしない 地域保育園・おなかま・保育ママあわせて274人
保育に欠ける 保護者が入所希望を取り消すならカウントしなくてよい 不明 地域保育園・おなかま・保育ママで保育されていないのは696人。
広域入所希望 待機児にカウント 左に同じ
転園希望 カウントしない 左に同じ  
産休育休中; 入所希望日が調査日(4/1)以降 カウントしない 左に同じ 81人

保護者求職中の待機児童は何人?

厚生省の通達では、「求職中を理由としている場合については、保護者の状況を考慮し、一律に除外することのないようにすること。」となっています。つまり、保護者求職中という理由で出された申請を、一律にカウントする必要はありません(カウントしてもかまいませんが)。自治体が任意に設けた条件を満たしている申請だけ、カウントすればよいのです。極端に厳しい条件をつけて、保護者が求職中の全ての申請を、待機児童のカウントからはずすことも可能です。

よって、保護者求職中の待機児童は、0人以上533人以下となります。

保育に欠ける待機児童は何人?

地域保育園・おなかま・保育ママで保育を受けている274人は、厚生省定義では待機児童としてカウントすべきです。問題は、それ以外の保育に欠ける待機児童です。

保育園に入れなかったために入所希望を取り下げた場合、厚生省通達では待機児童にカウントしてもカウントしなくても構いません。ところが川崎市の場合、入所希望を取り下げた人数は発表されていません。もしかすると、認可園に入れなくってかつ、地域保育園・おなかま・保育ママで保育を受けなかった子全員が、諦めて入所希望を取り下げたかもしれません。

よって、保育に欠ける待機児童は、274人以上970人以下となります。

で、結局厚生省の定義だと待機児童は何人なの?

保護者求職中の待機児童は、0〜533人。保育に欠ける待機児童は274〜970人。 合計すると、最小で274人、最大で1503人となります。