§1 男は忙しいから家事できない?? −男性の家事・育児を考える−
アンケート調査より
 3 調査結果  2. 家事・育児共有の実態

1. 家事共有・育児共有 ─ 男性は、負担の軽い項目にかたよりがち

 はじめに、家事・育児が夫婦の間でどのように共有されているかを見てみましょう。

注)男性のデータは参考としてご覧ください。男性の回答率が低かったため、一般的な男性の状況からずれているかもしれません。

 男性は「家事」はあまりしていません。特に少ないのは、「夕食を作る」のように、手間も時間もかかるし難しく、しかも、やらなければならないときが決まっている“まったなし”の家事と、「トイレの掃除」のように“汚い”と思われる家事です。男性がすることが多いのは、簡単ですぐにすむ「風呂の掃除」と「ごみの分別・ごみ出し」だけで、これ以外は、お手伝い程度にしかやらないことが多いようです。

 「育児」については、実際にどのくらい共有しているかを見るため、「子どものいる人」だけを取り出して分析しました。
 家事に比べると育児の方が共有されています。しかし、男性の実施比率が高いのは、「子どもの遊び相手をする」のように、自分の都合に合わせてできることが大半です。一方、「おむつの取り替え」「ミルクを飲ませる・食事をさせる」のような“まったなし”の項目や、「保育園・幼稚園等の送り迎え」「病気の子どもの世話」のように時間的拘束の厳しい項目は、ほとんど、女性の役割になっています。

 次に、どのような家事・育児を大変だと思うかを見てみましょう。
 家事では、男性・女性ともに「夕食を作る」をあげる人が一番多く、次いで「部屋の掃除」となっています。大変だと思う順番も割合も、男性・女性でほとんど差がありません。
 しかし育児については、上位から「病気の子どもの世話」「ミルクを飲ませる・食事をさせる」まで は同じですが、男性が3 番目にあげる「おむつの取り替え」(34.4 %)が女性では8 番目(10.8 %)、女性が3 番目にあげる「子どもの遊び相手」(40.3 %)が男性では5 番目(17.7 %)と大きな違いがあります。
 このように、男性と女性で育児のとらえ方がずいぶん違うわけですが、この背景には、やはり、育児の責任者が女性であり、男性はお手伝いに過ぎない現状があるのだろうと思われます。例えば「子どもの遊び相手」ですが、男性は自分の都合がつくときに相手をするのに対し、女性は自分の都合とは関係なく相手をしなければならないと思われます。そのため、同じ項目についても負担感が違ってくるのでしょう。「風呂に入れる」は、男性は妻がいるとき、すなわち大人が二人いるときに入れる人が多いでしょうが、女性は自分一人でやることが多いと思われ、そのため負担感が違ってくるのでしょう。

 問1・3  次にあげた家事・育児は、あなたの家庭では主に誰が行っていますか。
 問2・4  次にあげた家事・育児のうち、特に大変だと思うものを3つまで選んでください。

[グラフを見る]


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