予防接種との付き合い

2008.12.14 更新
お料理ひよこ組ホームページ

!!最初に注意!!

 このページは、脇田能宏が子どもと自分達の予防接種をどうするかを決めたときに調べたこと、考えたことを雑感としてまとめたものです。このページは医学の専門家によってかかれたものではありません。もしこのページを読んでいるあなたが、自分や誰かの予防接種をどうするかについて悩んでいるのだとしたら、このページを判断のよりどころにはしないで下さい。信頼できる主治医や相談できる専門家の意見、出自が明確な書物の情報などを元に、あなた自身で判断をしてください。

 ちなみに、世の中に出回っている「予防接種」関連の本は、接種推進派と接種慎重派で随分と異なったことが書かれています。どちらの立場の人たちの中にも、根拠薄弱で粗雑な主張を放言する人がいますし、正確な議論を試みている人もいます。最初に出会った主張に振りまわされないで、冷静な判断をするようにしてくださいね。家族の健康にかかわることですから。


おたふくかぜ (2001.1.1)
語句の説明
参考とした資料

おたふくかぜ (2001.1.1)

 我が家の場合、二人目のなおきの出産の翌日、一人目のひろき(3歳)が「ほっぺがいたぁい(@;-;@)」とベソをかいて起きてきました。ひろき自身は、朝食に出されたヨーグルトを一口食べると「なおったぁ(@^-^@)」と証言し、以後一度も痛がらないという、なんとも軽症な罹患で済みました。が…、その2週間後、妻に来ました。(^-^;

 妻のほうはひどいもんでした。顔の腫れ方もひどかったし、とにかく物が食べられない。おかゆですら「ツバが出るから」食べられないのです。おたふくは耳下腺というツバを出すところが腫れますから、ツバが出ると痛むのです。「今梅干しなめたら地獄だね」と力ないジョークが飛び交っていました。

 「親は『かかった』っていってたのにぃ」とブツブツ言っていたさきこですが、実はおたふくかぜは「何度もかかる」ことがあるそうです。(^-^; 但し、純正のおたふくかぜ(ムンプス)は一度だけ、それで終生免疫がつきます。ところが、「おたふく症状(@^-^@)」を起こす急性耳下腺炎はパラインフルエンザウイルスなどの別の病原体でも起きる(IDWR1999年第15週)ものだから、親の「あんたはやった」という証言があてにならないわけです。クラスでの流行具合などでムンプス(純正おたふく)とわかった場合以外は、本物かどうかわからないということですね。

 そうそう、成人男子の場合はおたふくから睾丸炎・副睾丸炎になる可能性があるようです。まことしやかに「おとなのおたふくはヤバイ」とささやかれているのはこれですね。ただ、両睾丸が完全に機能廃止する例はごく稀だそうです。(予防接種の手引き 6.ワクチン別の注意/おたふくかぜ

 ところで、出産早々おたふくにかかった早紀子ですが、あろうことかそのまま母乳をなおきにやっていました。(^-^) 特におたふくは新生児に禁忌がないそうなので。ところが…、なおきは発症しませんでした。「こんなことってあるのかのなぁ」「じつはこのプニプニとしたほっぺたは…」などと話をしていましたが…。もしかしたら不顕性感染かもしれません。おたふくは1/3程度不顕性感染となるそうです。(予防接種の手引き 6.ワクチン別の注意/おたふくかぜ

 さて、おたふくのワクチンですが、MMRの髄膜炎騒動で派手に花火をぶち上げました。MMRは他の予防接種に比べて、2桁多い健康被害を出しました。(予防接種健康被害救済給付認定状況厚生省『予防接種と子どもの健康』攻略本) MMRの副反応の殆どは、おたふくのワクチンによる無菌性髄膜炎によるものです。

 髄膜炎の発生率は自然感染と同等以下だという主張はあります。しかし、当初厚生省は10万〜20万人に1人という、何の根拠も無い数字を出していました。実際には統一株(MMRに使われていた)では1000人に1人という髄膜炎の発生率でした。(予防接種の手引き 6.ワクチン別の注意/おたふくかぜ) こんなに安全性確認が粗雑なワクチンは信頼できません。潜んでいる重大な問題を見落としている可能性が高いからです。さすがに子どもに無条件で打つ気にはなれません。

 「大人になるまでにかかってなければ予防接種を考える」というのが、今のところの私たちの考えです。ちなみにおたふくかぜ(ムンプス)の免疫を持っているかどうかは、血液検査で確認することができます。


語句の説明

 このページで使用した(する)言葉の説明です。誤り、分かりにくいところがありましたらご指摘下さい。

MMR
はしか(麻疹)・おたふくかぜ(ムンプス)・風疹の3種類の生ワクチンを混合した、通称「新3種混合ワクチン」。1989年に鳴り物入りで義務接種に導入され、大量の副反応を出して1993年に接種見合わせに至った。
導入当時の日本のMMRはワクチン会社3社のワクチン株を混ぜた「統一株」と呼ばれるワクチンを使用していたが、これは世界各国のワクチンに比べて2桁程髄膜炎の副反応が多かった。その後、各社の開発した「自社株」が解禁になったが、それでも思わしい改善にはならずに、MMRそのものを断念せざるを得なくなった。
ちなみに、麻疹単独ワクチンの健康被害認定数は年間2名程度。MMRは91年には300人を超えた。
終生免疫
一旦感染するか接種を受けるかした後に、生涯その病気にかからずに済むような免疫を獲得すること。ある特定の病気では、終生免疫を得ることができる。
一般的には、病気が治って病原体がいなくなると、次第に病原体に対抗する免疫抗体の生産量を減らし、その病気に対する免疫を失って行く。およそ10数年ほどすると、同じ病気にまたかかってしまうほど免疫抗体の生産量は低下する。
これに対して、終生免疫を獲得する病気の場合には、大まかに分けて2種類の仕組みで、一度得た免疫を維持し続ける。
1つは病原体が体の中に潜み続け、常に免疫システムと闘い続けているために免疫が維持される例で、代表として結核や水痘が挙げられる。
もう一つは、病原体が短い期間で流行を繰り返すために免疫の能力が落ちる前にブースター効果で免疫生産が高められるというケースで、麻疹や風疹がこれにあたる。
ブースター効果
免疫を持っている間に病原体に接触することで、免疫抗体価が上昇する効果のこと。
予防接種では、追加接種がこの現象を利用している。例えば破傷風の予防接種では、幼少時に接種(日本では3回)した後は、10年に1度程度の接種する。それで速やかに免疫抗体価が上昇し、免疫が維持できる
また麻疹や風疹は流行があるたびに病原体に接触するので、一度かかった人はその度に免疫が再強化され続ける。そのため一度発病した人は二度と発病することは無い。ブースター効果によって終生免疫が維持されるわけである。

参考とした資料

 なるべくインターネットでアクセスできる資料を提示しています。

全般
[1-1] IDWR(感染症発生動向調査週報)
[1-2] 厚生省統計情報部「本ホームページに掲載していない統計調査一覧」
  (2000.12.25 現在「伝染病統計」は Web 公開していないことが分かる)
[1-3] IDSC(感染症情報センター)
[1-5] IDSC(感染症情報センター) 伝染病流行予測調査)
[1-6] 木村三生夫・平山宗宏・境春美
   予防接種の手引き(第7版), 近代出版
[1-7] 由上修三
   予防接種の考え方, 大月書店
[1-8] 加藤達夫編
   予防接種マニュアル, 新興医学出版社
[1-9] ワクチントーク全国・予防接種制度検討市民委員会編
   厚生省『予防接種と子どもの健康』攻略本
おたふくかぜ
[2-1] IDWR(感染症発生動向調査週報)1999年第15週(おたふくかぜの解説)
[2-2] IDWR(感染症発生動向調査週報)1999年第27週(無菌性髄膜炎の解説)