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個人と会社が得をする働き方 育児を支援する各種勤務制度を利用するときは、感謝の気持ちも忘れてはいけないでしょうが、「迷惑かけてごめんなさい」的な後ろ向きで終わらせてはもったいない。自分が幸せになり、かつ、会社にも価値をもたらすことでこそ恩返しを。 各種支援制度の比較下記はある会社の制度例と思ってください。
ピンク部分は「福祉」的な制度。長い目でみれば別として、短期的には会社の負担。青色部分は会社も損をしないことが前提の制度。 一見、会社が負担してくれる分はおトク?いえいえ、そうすると会社は何かしらモトを取らなければならないので、復帰後の評価を下げられたり、居心地が悪くなったり、とかく不透明な方法でろくなことにはなりません。 今後は「青色」の制度を中心に育てていくほうが吉。気兼ねなく積極的に活用し、いきいき仕事をして成果を出せばすべてよし。 もちろん産前産後休暇をなくすとか、そういうことはありえないのですが、ノーワークノーペイの原則にしたがって給料はなしとして、その分の補償は健保からの6割というので考えればいいはず(法律上はそれでよい。これはこの会社の上乗せ分)。 そうしておいて、評価の透明性のほうを高めれば、企業としても低コストで、お互い気持ちよく(ということは従業員のモチベーションを下げないで)過ごすことが可能です。 自分の視点で仕事を変える時間が限られているせいで仕事ができないと思っていませんか。もちろん、「いなければ話にならない」という仕事もあるもので、そこは業務の性質によりますが。 まったくノー残業の人と、残業休日出勤ありありの人で、せいぜい時間は1.5倍程度。一方、時間当たりの生産性は、人により、倍ではきかない差が歴然。開発その他になればケタが違うということも多いものです。その中で、「仕事にかけられる時間の差」は個人差の中でも誤差みたいなものでしょう。 消極的になるよりは、「仕事しかしていない人が持ってない視点を生かす」ことを考えたほうが得策。 毛色の違う道具を生かす社内転職したとき、実はその職種に必要といわれていたバックグラウンドがまったくない状態でしたが、それで困ることはあまりありませんでした。周囲が知っていることであれば、教えてもらえばすむことです。 逆に、自分が持っている「道具(考え方でも、ツールでも)」を生かすと、次々に改善ネタが生まれるので、業務の効率化やその横展開に取り組みつつ、新人期間を過ごしました。 時間の制約を逆手に取る産休が数ヶ月先に見えてきたとき、たまたま担当業務の波が複数重なることがあり、上司も(残業をあまりさせるのも気が引けるし、さりとて代わりの人もいないので)困っている様子でした。 そこで「もし補助の人をつけてもらって私が1.7人分の仕事ができたら、会社としては大儲けですよね」と上司にもちかけ、フルではなかったけれど、午後のみ補助をつけてもらうことができました。 それまで、各担当者が一匹狼的に取り組んできた仕事振りと、チームを組むスタイルは大きく異なります。分業の切り分けや情報共有に工夫は必要ですが、いったん軌道に乗ると効率よく、倒れにくい態勢ができました。逆に、いつも有能な人が突然風邪に倒れると、ほかから手の出しようがなくほんとうにストップしてしまいます。 結局、産休までの期間に、奇跡のような業務量を残業なし、品質よくスムーズにこなすことができました。新しいスタイルから生まれた業務改善もあれこれ「置き土産」にすることができました。 育児などで得たスキルを活用する産休前は翻訳プロジェクトを担当してその管理をしていたのですが、復職してすぐのとき、担当プロジェクトが本格的に戻ってくるまでの隙間を利用して、翻訳ベンダーさんのインタビューや、社内担当者たちへのアンケート、マネージャーからのヒヤリングなどの活動をしました。 そのときの実態調査から始まって、メルマガの発行、品質調査やフィードバック送付などに広がり、そのうち全体の品質をみる専任担当者(従来そんな人はいなかった)になっていました。 業務の標準化や品質保証など、たまたま職場に起こったニーズとも一致して、ほとんど自分のためのオーダーメイドの職種を作ってしまった感じでした。 「育児・家事などで得たスキルの活用」というと、保育者、フードコーディネーターなんてなるべく近いものを思い浮かべてしまいますが、実は、「毛色の違う道具を生かす」にも述べたように、育児から遠く離れた仕事に飛び込んでいくほうがかえって役に立ったりするものです。 自分でも意識しないうちに身についた、コミュニケーション力、時間管理能力などがきっと生きてきますよ。 混ぜることで生まれる価値(→補足)毎日まいにち、当たり前に繰り返すことに、日々新鮮な幸せを感じるというのは難しいもの。でも、まったく異質な世界を複数持つことによって、特別な人格者でなくたって、喜びを感じやすくなっておトクですね。 楽しく仕事をしている人、そうでない人で結果に差が出てくるのは当然です。仕事をするのが楽しい、うれしいと思ってもらえれば企業にとってもそれは価値あることです。仕事だけに打ち込んでも、乗っているときは「うれしい、楽しい」という効率のよさが得られることはあります。でもそれで10年、20年走り続けるのは難しい。混ぜることは、効率性、安定性の両面で有利です。 育児があるから仕事がうれしい保育園に子どもを預け、身軽に道を歩き出すときの解放感。電車の中では自分のペースで本が読める。一人でトイレに入れるし(これが子どもが小さいと当たり前でなかったりする)、大人同士の雑談をしながら昼ごはんを食べたりする幸せ。お迎え番でないときに、残業をしてもいい宴会にいってもいいありがたさ。 仕事ができるだけで、一人で歩けるだけで、こんなにうれしくて、お世話になっている人(子どもを見てくれる保育者や、配偶者)に感謝の気持ちでいっぱいです。 仕事があるから育児が楽しい仕事を終え、保育園に迎えにいくと笑顔で飛びついてくる子ども(「えー、まだ遊ぶ」とかいわれることもあるけど)はほんとにかわいい。一日べったり見てないから飽きないかわいさ、おもしろさ。自分だけで育てていない軽さ。一歩ひいて子育てができるありがたさ。 子どもの相手をして、遊びながら怒りながら、たわいないひとときを過ごすのも、子どもって理不尽なものですから、まきこまれちゃうとけっこうイライラするもの。これはかなり向き不向きがあって、耐えられない人は、とてもフルタイムじゃやれませんが、向かない人でもパートタイムならなんとか楽しめますね。 仕事があるから家事が楽しい休みの日、普段なら目をつぶる洗濯機の汚れをみて、「ちょっとふいとこうか」。ささっと水ぶきするだけで、おぉっ、みちがえるようだ。やっぱり気持ちいいよね。そんな些細なことだって、休日の楽しみです。 料理にひと手間かけたり、ちょっとした手作り品を作るのも、休日の娯楽というか、格別なものです。異質のことをやるのが、ストレス解消になるんですよね。 夫婦でわかりあえる近さと張りがうれしい上述の3項目は、人ひとりに混ぜることの価値。もう一つ、夫婦の役割を混ぜたことの意味もあります。 「近さ」:楽しさも難しさも苦しみも、あらゆる領域ですっとわかりあえるから親身になれる、気が楽という面はもちろんです。 「張り」:別に混ぜるといったって、違う人間ですから、家事も育児も仕事も、感じ方ややり方も別々です。お互いの話を聞いてみると、新たな発見、目からうろこ。 |
体験談
極私的おシゴト史 在宅勤務制度の提案・利用体験記 読者のSYさんが体験記を送ってくれました。双方の誠実な対応に頭が下がります。
看護休暇導入について会社に提案
在宅勤務制度を会社に提案 資料育児と両立できる働き方を求めて 補足「混ぜることで生まれる価値」のことを私はよく「温度差があれば発電できる」などと表現していました。同じことを上野千鶴子はこう表現しています。 情報生産性が高い人材は、どうしたら生み出せるのか。情報とは差異からしか発生しません。そのとき、落差のある生活世界とか価値体系をどれだけ知っていて、自分のなかにその落差のあるシステムをどこまで取り込んでいるかが問われます。落差のない生活をやっている人のなかには、価値も情報も発生しません。二十四時間、会社べったりで働いている人には、会社的価値しかないのです。 私は、女の人は壮絶な落差のある生活を送っていると思います。赤ん坊とは、石器時代から変わらない存在です。おぎゃあと生まれた赤ん坊には、二十一世紀も石器時代もありません。だから子どもを育てているキャリア・ウーマンは、二十一世紀のハイテク・オフィス空間と石器時代とを、一日の間に往復していることになります。全身が引き裂かれるような価値と時間の落差を生きている。その落差が情報を生むのです。そういう落差を持たない人からは、情報は発生しない。 (「サヨナラ学校化社会」上野千鶴子 太郎次郎社) ここで「キャリア・ウーマン」などと特に女性に限っている記述になっていますが気にしないでください(^^;;男性でも同じことがいえると思います。 |
在宅勤務制度の提案・利用体験読者のSYさん(埼玉県在住)から体験談が寄せられました(2003年8月記録)。 * * * 私は都内のソフトハウスに勤務するプログラマで、 通勤にはドアtoドアで約1時間半かかります。 そのため、在宅勤務するのに適した職種であり その効果も大きいと思い、今の働き方を選びました。 私が在宅勤務を始めるに当たっての経緯は次のとおりです。 (1)在宅勤務者が既に存在した
私が入社する以前から、会社に在宅勤務をしている方がいました。
その方は、家庭の事情で遠距離に引っ越すことになり、辞めるのは
もったいないということで、契約社員として仕事を続けていました。
定期的に出社する、というものではなく、必要に応じて会社に呼び寄せ
ある程度まとまった量を渡すという感じだったようです。 (2)緊急で在宅勤務を始めた長男を妊娠中、つわりが辛く医者からも安静を言い渡されました。 実は一度流産を経験しており、『もしかしたら、また』という 不安が非常に強かったのです。 そのため、会社に事情を伝え、 上司と相談の上で安定期に入るまで自宅で仕事をすることにしました。 <最低限のルールとして>
(3)復帰のための話し合い緊急措置としての在宅勤務は約3ヶ月でした。 安定期に入り、産休に入るまでは普通に勤務しました。 その間に、上司と『既に在宅勤務をしている人がいるのだから、 子育てを理由に在宅勤務も可能ではないか』と話をしました。 私の産休・育休中に上司が話を進めていてくれて、制度の 概要は作ってくれていました。 余談ですが、最も難関だったのは保育園への入園でした。 自宅近くの保育園に申し込みをしたものの、入園不許可の通知が届き 2次募集の枠がある保育園(隣の駅)を教えてもらい、再度応募。 3月中旬頃になってやっと、なんとか入園許可がおりました。 そして、会社と連絡をとり、2度程出社して正式に在宅勤務と決まりました。 <当時のルール(契約書より抜粋)>
(4)1回目の仕事復帰 a)1年目
b)2年目
<変更点>
(5)2回目の産休・育休へ仕事復帰を果たして3年目に長女の出産のために産休をとることになりました。 妊娠が分かった時点で、客先への外出がある仕事からは外してもらいました。 その分、自宅で作業する時間が増え、月に1度くらいの出社になりました。 2回目の産休なので、会社への報告や仕事の引継ぎなどはスムーズに行きました。長男を連れて里帰りした際には、ノートPC持参で会社の情報が手に入るようにしました。 仕事に戻れるかどうかよりも、一番の心配は保育園でした。 幸い2月中に入園許可が届き、仕事復帰に向けての話し合いを始めました。 (6)2回目の復帰のための話し合い社内体制が変わり、上司も変わっていました。 でも、直接交渉する相手は以前の上司の上司であり取締役でした。 この取締役は、実際に子持ちで共働きで、在宅したいと言った頃から 親身になって相談にのってくれていた方なので、非常に話しがしやすかったです。 ここでの話し合いは主に、子供が二人になったので、仕事を休む日数が 増えるであろうということ。勤務時間に枠を設けるのではなく、 仕事ができる分だけ仕事をしよう、ということでした。
<現在のルール(契約書より抜粋)>
(7)2回目の仕事復帰4月に入園したものの、5月まで熱を出してばかりだったので 復帰を6月に延期してもらいました。 勤務時間が不安定なため、持ち帰りができて比較的軽い仕事を 頂きました。出社も月に1〜2度くらいで、子供のための 時間をとれる一方、仕事としては物足りない面がありました。 そして、現在に至ります。 初期の頃はダイヤルアップ接続のため、ファイルのやり取りやメールの送受信を煩わしく感じることもありましたが ADSLで常時接続にしてからは、常に最新の情報が 手に入るので快適になりました。 私自身、保育園に5年間通っていたので、預けるのがかわいそうと 思ったことはありません。でも、私の幼少時と違うのは 近所に親類がなく、困ったときに頼る先も子供が無条件で甘えられる 相手もいないので、仕事をしながらでもできるだけ子供の そばにいたいと考えたのです。 幸い、会社と上司に恵まれ、また環境整備に旦那も協力をしてくれて 会社の開発環境にほとんど劣らないものを構築できました。 2度目の復帰以降に話し合いをしている取締役が、今年から 社長になり、以前にも増して社内への理解が進むことを期待してます。 社内で産休を取ったのも、育休を取ったのも私が第1号でした。 女性が少ないのも確かなのですが、長時間勤務が当たり前の 職場のせいか、未だに次の人は現れません。 独身男性も多く、子育ての大変さを理解ができないというよりは 本当に「未知の世界だ」という印象を聞きます。 そのおかげか、社内に冷たい反応はほとんどなく、暖かく応援して 頂けるのを励みに良い前例になりたいと思っています。 私のような環境は恵まれているのだと自覚しています。 でも、『昇進』という意味では取り残されている感があります。 3〜4年後の後輩でさえ、私より上の職級にいます。 一度目の産休を取る前から、私の職級は変わっていないのです。 仕方ないという気持ちが半分、寂しい気持ちが半分です。 これも一つの道なんだとようやく受け入れられるようになりつつあります。 最後に、週に1度だけ出社する、週に1度だけ在宅勤務するという ような柔軟な働き方がもっと広がればいいと思って書かせて頂きました。 かなり特殊な例だと思うので参考にならないかもしれませんが もっと子供中心な働き方があってもいいと思うのです。 今悩んでいらっしゃる方、どうか希望を失わずに話合いを続けてください。 看護休暇について会社に提案勤務先の会社が、看護休暇を検討中とのことなので人事に出してみた「意見メール」です。 結局、このメールの甲斐なく「年5日」「有給」という制度になってしまいましたので、とても霊験あらたかとはいえませんが(^^;;なにかで会社に提案したいときはどうぞ参考になさってください。切り張り使用もどうぞ。
在宅勤務制度を会社に提案読者のKママ(km-maru@clubAA.com)さんから、「在宅勤務(テレワーク)始まりました!」のうれしいお知らせ。「いってみるもんだねぇ」という事例です。(2001.1.13)<経緯>(1) ことの始まり ちなみに、このとき私が在宅勤務制度が欲しいと思ったのは、幼稚園、小学校に進学したときに(主に防犯と子供の安全のため)鍵っ子にしたくない、会社も辞めたくない、と思ったからです。 (2) 企業訪問 (3) 検討 (4) 試行開始から現在 <現在の試行ルール(協約書から抜粋)> (1) 勤務時間 <試行実施者の感想> ・集中できることは確かだが、家に家族がいる場合は書斎が必須 <管理者の感想(一名ですが)> ・却って作業内容の報告が密になった <周囲の感想> ・特に試行前と(作業に)変わりなし <今後の見通し> ・導入目的が「作業効率の向上」のため、今後の勤務形態柔軟化理由に「子育て」を盛り込むには一嵐必要な予感(T_T)。 「ワーク/ライフバランス調査」(2000.10.24)わきたさきこが勤める会社では、産休・育休など法律で定められている育児支援制度に加えて「e-ワーク制度」というのを始めました。このことは「在宅勤務ができるようになった」として新聞などにもとりあげられました。 社員のワーク/ライフバランスのために追加投資を行うにあたって、育児支援制度のコストパフォーマンスなどを調査することになりました。私もその対象として選ばれ、インタビューを受けました。 |