ひろき

保育園を考える親の会
「学童保育 入ってみたら」分科会

2002 11.10 東京都児童会館にて

☆「はじめての学童保育」ではなく、学童に入ってからのことを話し合う「学童保育入ってみたら」分科会は初めての試みです。すでに子どもが学童に入っている人、これ から入る人、合わせて約20名が集まり、座談会形式での分科会になりました。 配布資料はこちら

●司会挨拶● by 脇田早紀子

配付した資料は、「保育園を考える親の会」および「バーチャフォーラム(フォーラムのホームへ)」でのアンケートの回答をもとに、

1.学童は運営形態により様々
2.学童に通っていて良かったこと
3.困ったこと
4.バーチャフォーラム掲示板での話題
について、まとめています。

 学童の特徴を考える上でわかりやすいポイントとして、
・出欠をとるか
・連絡帳があるか(あれば個別にこどもの様子を見てくれる、ということ)
・懇談会があるか(あれば親同士、親と指導員の関係を作ろうとしている、ということ)
 などがあります。その他、定員(規模、混雑具合)、料金、さらにはお稽古事にいけるか、宿題をやらせてくれるかなども気になる点かもしれません。

●参加者の自己紹介+学童紹介●

*以下、( )内のアルファベットは配布資料にある学童保育のタイプを示しています。ちなみにD,Kは児童館併設学童保育、Iは公設公営・学校内の学童保育、Jは町会会館内等の学童保育ですが、同じ自治体内に複数のタイプの学童保育がある場合もあります。

W : 東京都稲城市(I)。定員を大きく割っている学童なのに、市内一律で4年生になったら通えない。今3年生なので、来年のことは心配。

KJ : 渋谷区(D,K)。60人定員に対して希望は30人オーバー。1年生優先なので3年生が残るのは無理。育成費、おやつ代とも無料。児童館併設で一般児童も来るので、ラムネ程度のおやつがいっしょに出る。卒室しても一般児童として通えるのはよいところだと思う。学童は習い事を歓迎しない雰囲気が強くあったが、最近は変わってきたようだ。

U : 板橋区(I)。詰め込み状態だった学童を、要望を集めて広くしてもらった(空き教室利用)。それに伴い学校内学童になったのもあり、人気が出てまた結局手狭になってしまった。あと、学校内学童は、学童に好意的でない校長がいると大変。

司会:その校長は、何が嫌なのか?

U : 学童児が水を出しっぱなしにしたとか、学童児がしょっちゅう職員室にくるとか(笑)。

M : 文京区(I)。子どもは年中。小学校に入ると、家に直接帰る子と学童に行く子の二種類がいる。家にいるお母さんがいる、ということに子どもが気づいたときどう思うか心配。

B : 世田谷区(I)。新BOP内学童。3年生(卒室)までに、放課後を自分で組み立てられる子どもにしたいと思った。3年生の現在は6時間目も増え、習い事もあるので学童に行く時間があまりない。週1回程度利用している。子どもは2年生になってから、母が家にいる家もあることに気づいたが、「お父さんに何かあったら(お母さんが働いてないと)困るよね」といったらいっぺんで納得した(笑)。

H :川崎市。来年から学童はすべて廃止、わくわくプラザ(全児童対策)を実施する予定。7月に学校からパンフが配られ、市の学校への説明は10月から。当事者が置いて行かれている感じ。学童は父母会の活動が盛んだった。毎月1回父母会があったしイベント(キャンプ・クリスマス会、等)もとてもよかった。どうやって今後に雰囲気を残して行くのかが課題。わくわくできちんと目が行き届くのか心配だ。親が運営にもう少し関われる形を考えたい。

TM : 江戸川区。子どもは年長。保育園の隣の学童と学区外の小学校に入れることには決めたが、あらためてこれから来る生活の激変に思い至り、どうしようと思っている。就学児検診についても、1:30という、遅刻でも早退でも対応できない時間に始まり、今後はこういうこと(働いている親のことを考慮しない)が続くのだろうか。休みが足りなくなりそう。情報収集しておきたい。

司会 : そういうことなら、まずは「はじめての学童」を見て(笑)。おおよそどのくらい行事があるかなどもわかる。ただ学校によって大きく違うのでローカル事情を確認して。

D : 江戸川区(J)。1年生。1年生が半数以上なので、父母会の運営ノウハウが引き継がれていないのが悩み。いじめの問題もあり、いろいろ話し合っていきたいが、学童が終わる時間が早い(6時)ので接点がもてない。

I : 江戸川区(D)。1年生。学童と学校の連携はいい、と聞いていたのに入学1週間後の避難訓練で、担任が間違えて家に帰るように指示し、子どもは誰もいない家に帰って困ってしまった。学童の先生は心配して家まで見に来てくれたが、担任からは一言もないまま。1学期は学童に行けたが、夏休みに親の出勤から開室(9:00)までひとりでいる間があることからつまづき、学童に行けなくなってしまった。そうこうするうち留守番に自信をつけ、2学期になってからは学校にもいけなくなった。校長先生まで迎えに来てくれて、学校には行けるようになったが、朝から学童に行く日はやはり行けない。冬休みを前にどうしようかと困っている。

司会 : 一人で家にいる間はリラックスしていられる様子?

I : 留守番自体は大丈夫。ただ人がきたらドアを開けてしまうし、電話でも「お母さんはx時までいません」と言ってしまうので心配。

NN(指導員) : 文京区(D)の指導員。テーマに惹かれてやってきました。

K : 世田谷区。通勤がつらくなってきたので、小学校入学までに引越しを考えている。住む場所から選べるとなると選べる悩みというかかえって迷う。小学校・学童の選択のポイントをおさえておきたい。

TK : 板橋区。年長。一人で鍵を開けて入り留守番、というのはこれまで経験がないので不安。近所に新しいマンションができて児童数が増え、3年生まで学童にいられないかもしれないとか、さらに入所できなかったらどうしようということも気になる。

S : 板橋区。年長。本人が小学校に入ったらサッカーをやりたがっている。学童からサッカーに行って、また学童に帰ってくることは可能か?

司会 : 学童から行くのはまだしも、帰ってくるほうは難色を示されるかも。

WB : 目黒区。保育士。20年前に年長を担任したとき、卒園する子どもたちのことを近くの小学校の先生に伝えにいったところ、学年主任に「あなたの心配する事ではない。親御さんの心配する事でしょう」と門前払いをくらった。今年また年長を担任しているが、「地域で子育て」がいわれる時代だし、保育園と学校のつながりがあってもいいのではないかと思っている。小学校入学に向けて、保育園として準備をしておくべきことは何かを知りたいと思って参加した。

KS : 杉並区(D)。定員大幅オーバーで、プレハブを建てて第二学童を作っているが、外に少しでも出たらお着替え強制など、変なところがあって評判がいまいち。区は来年からNPOに学童運営を委託したい意向。児童館の運営時間が延びるなどいいことばかり書いてあり、逆にあやしい感じがする。

TG : 江戸川区。年長。育休中でゆとりがあるうちに、鍵掛け・お留守番など少しずつ練習させたい。学童では、祖父母がお迎えにこれるお宅が多く、6時までの学童なのに5時くらいでほとんど帰ってしまうらしい。合わせて帰らせてしまうと留守番が長くなってしまうので考え中。

司会 : 子どもの留守番が不安なうちは、学童にぎりぎりまでいさせて、本人が留守番に自信が持てるようになったら時間を変更するなど、いろいろ組み合わせてみては。

NN(指導員): 学童に子どもが少ない時間がつまらないとは限らない。無理に他の家庭に合わせないで、必要な時間は学童にいることでよいのでは。

N : 板橋区(D)。定員の倍(90名)いる学童。上の子は5時半から2時間自宅で留守番できた。下の子は性格が違うのでできそうになくて心配。同じマンションの学童仲間と、どちらかの家で一緒にいればなんとかなるかも。習い事に学童を早帰りして行かせるようにしたところ、指導員から子どもに「学童やめたら」といわれた。「ほんとにやめてほしければお母さんにいってくるはずだから、それまではいいよ」といって乗り切った。子どもは「学童は1,2年生には楽しいところだが、3年生は我慢ばかりしなければならなくてつまらない」と言っている。学童に拡張工事が入ることになり、親の希望で夏休みに学校の空き教室に学童を移動してもらった。普段はあちこち行ける校内を、こことここしかダメという感じなので、子どもは嫌がっていた。

MS : 渋谷区(D)。入所してすぐは保育園並みの手厚い対応を望んでいた。しかし、おやつも保育園は毎日手作りおやつだったのに、児童館はできあいのおやつをバイキング方式で出されて1年生は取り損ねる、指導員は集団をまとめるために怒鳴ったりするなど落差が大きく違和感があった。子どもも2年生になると変わる。おやつも自分が食べたくないときは食べないとか、自分で納得して選択している様子。3年生で学童に行けるかどうかわからない(定員オーバー)ので、学童がなくても生活できるように今から準備をしている。通常は学童がなくても、安心していられる場所と、他の親御さんとの連携があれば何とかなりそう。問題は長期休み。役員会で話題になっているが、長期休みだけは特例にして、申し出があった子どもは学童でお昼を一緒にたべさせてもらったり、個別に対応してもらいたいと思う。今年度からの館長はOKを出してくれたが、人事異動があるとカラーが変わってしまうので、心配。

司会 : 入学したての子どもは手厚い保護を必要としているけれど、2ヶ月たつと別人のように成長する。子どもの成長に合わせて、必要な保護も変わってくるはずだが、それを柔軟にカバーできる学童はほとんどなく、どこかにしか合っていない感じがする。親の方も、何か気づいた問題を追及する間もなく、状況はどんどん変わってしまい追いつかない。

●後半ディスカッション●

後半は「これから学童のグループ」「深く語るグループ」の2グループに分かれてディスカッションをしました。

[これから学童のグループ]

W : 子どもは、ぼんやりタイプなので、いつもお母さんが家にいる家庭の存在にはゆっくりと気づいたという感じ。ついにそのことについて聞かれたとき、うちでは「お父さんもお母さんも、ひろくんたちのお世話したり遊んだりしたかったから、二人で働いているんだよ。お母さんが働かないと、お父さんはお仕事ばっかりで、なかなか帰れなくなっちゃうでしょ」と説明したら納得していた。

TM :入学後、親はどれくらい休みが必要?

W:(学校行事は)出席した人に後で聞けばいいものや、行かないと困るものもいろいろ。いずれにしても、キーパーソンを押さえておくことが鍵。

KJ :新入学のとき、担任が学童に見学に行き、学童の職員に感激されていた。それほど連携がないということ。入学前は、小学校の学校公開や学童の学童まつりなどを利用して見学を心掛けたい。

N : 保育園や学童の子どもたちの居心地の善し悪しは人間の力関係による。

KJ : 学童の指導員が子ども達の姿や出来事(失敗談)を面白がって温かく見てくれたことに安心感を覚えた。学童の指導員に聞きたいことがあるときは、比較的ゆとりのある午前中に相談の電話をするのがコツ。

N : 保育園と違って、職員の人数が少ないだけに、指導員のカラーが大きい。指導員が替わると別物の学童のようになる。

W : (入学までに何ができるようになっていたらいいかについて)うちの場合は字とか全くの白紙だった。そして半年後、突然子どもが「学校ってすごいよねー、だって字も読めるようになるし、いろんな事がわかるようになった」。発見と感動の連続だったらしい。むしろ重要なのは、集団に対する声かけをきちんと聞けるかどうか。話を聞く力さえあれば、勉強や体験をして、学習をしていくことができる。

N : 担任の資質にもよる。肝心なときに引き付けられる先生と、できない先生がいる。子どもが、こぼれている友だちを引っ張って行くこともある。お兄ちゃん・お姉ちゃんの存在も大きい。

WB : 子ども達に、何か困った時は、卒園していても保育園を頼りにして来ていいという事も知らせておいてほしい。

W : そう言っていただくととても有難い。

WB : その場合、子どもが親の仕事場の連絡先・電話番号を言えるようだと、安心。

T : 外遊びできるところがない。公園まで連れて行ってもらえるだろうか。

N : 指導員の人数が少ないと、子どもを分散させることができず、公園で遊ぶのは難しいことがある。

W : 入学すぐはいろいろあったけど、ちょうど5月から産休だったのでフォローできてよかった。(その手は今からじゃ間に合わない!との声)

W : (鍵の持たせ方)バッグの中の方に「ビヨヨン」を縫い付けるとよい。手を離すと確実に中へおさまる。クリップのままだと、はずしてもてあそんだりして紛失する。

W : (ケイタイが便利という話があったが)電話は親が持ちます。子どもに持たせるのはトラブルのもと。いつも家からかけるなら短縮に入れておけばよいのだが、「鍵がなくて家に入れない」など、よそからかける場合もあり、電話番号のメモを持たせておいたほうがいい。鍵の問題はむしろ朝。確実に閉めて出るのは難しい。うちの場合は首から下げる「鍵札」を作った。親が出るとき首に札をかけ、子どもは出かけるとき鍵を閉めて「指差し確認」したらこの札を新聞受けから家の中へ落としておく仕組み。

KJ : 入学ノウハウだけで時間がなくなっちゃった! とにかく、学童は子どもも親も楽しいところだよーってことを言いたい。

W : そう、それが一番大事。ほんと、レトロな遊びも覚えてくるしね。アポとらないでもみんなと遊べるし。

[深く語るグループ]

(こちらでは、指導員の方の参加があり、受け入れる側からの情報提供・助言もいただきました。発言の個人別省略)

○学童がNPOに民間委託される。指導員の資格・研修はどうなる?
板橋区では、経費節減のため、毎年2学童のペースで民間委託が進んでいる。保育園が受託する場合が多い。ただその場合、その保育園の方針になじめずに他の保育園に通わせていたにもかかわらず、結局学童にあがった時点で、そのなじまぬ園が受託した学童に通わなければならないというケースも発生している。ただし、今のところ、民間委託によって大きな問題は生じていない。

常勤の指導員には保育士の資格が必要とされている。研修はあるが、受講は強制ではない。それよりも問題は施設面。学校内に移っても学校は学童にノータッチ。また使える施設の範囲に限度があるのも問題。

○東京都の学童の利用料は?
3千円?6千円(おやつ別)。おやつ代のみの自治体もある。

川崎市現在全児童むけの放課後事業「わくわく」への来春の一本化が打ち出されているが、以前学童父母連協では「無料」にこだわったため、学童消滅の動きに余計対抗しにくかったという面もある。今後「わくわく」ができれば、仮に自主学童を立ち上げても、補助金はおりない見込み。

渋谷区の場合、学童館で学童児と一般の利用者が共に活動しているが、両方におやつが出ており、予算は学童クラブの人数に合わせて区が出している。

○学童館の指導員はストレスがたまっている?
保護者会などへの親の集まりも悪いので、自分たちの大変さを親にわかってもらう機会がない。児童館の先生のストレスの改善には、
・ルールをシンプルにし、子どもの生活に合わせるようにすること、
・先生が「子どもを自分の思い通りにしよう」という気持ちを捨てて子どもとの信頼関係を一から作り上げるようにすること、
が必要だといえる。

親の送迎のない学童館は保護者があまり顔を出す機会がなくなる。先生の方としては、もっと親に顔を出してもらいたい…という気持ちもあるが、開館時間が9時半-6時なので、コミュニケーション不足が解決しないのは、親の意識の問題だけではない。

○大規模学童の問題点…
60人の児童を3人の指導員がみている。子ども20人に指導員1人のクラスならまとまっても、60人に3人ではなかなか成り立たない。

単なる表面的な指導しかできない。一番指導が必要な子から辞めて行くことになりかねない。学校のような一斉指導でも、1クラス40人までとなっている。大規模の子どもの集団生活を指導する理論はイベント用のものしか、まだない。

(100人もの子どもをみるところでは)指導員は子ども一人一人の様子を把握していないから、保護者会にいってもほしい情報は得られない。→親としては、有料化してでもきちんと子どもをみてほしい。

○学童の指導員の苦労
子どもが精神的に一番難しい時間帯(学校からストレスを抱えて帰ってくる。学童で発散し、家では一段落ついている)を受け持っている。

○指導員の質がバラバラで、「難しい」子どもに対応できない。対応できるようになってもらうためにはどんなトレーニングが必要か?

本当は学童の指導員には、保育園卒園から思春期前の5?6年生までの子どもの心理をきっちり勉強してもらいたい。この頃のこどもたちは感情、感覚の発達が先で、全体・抽象的な概念の理解が後になる。何回も何回も似たような過ちを繰返し、4年生くらいまでは「何度言ったらわかるの!?」と怒鳴られる時期。だから指導員には「子どもは思い通りにならないとだめ」という気持ちをどこかで捨ててもらわないと。

○指導員の悩みを受けとめるカウンセリング機関も必要。
指導員の上司が事務職であることにも問題はある。その分野の専門の人ではないので、現場の問題を上司に相談できない。

○安心できる場でないと子どもは行かなくなる
親はいなくとも、楽しくないこともあっても、安心できる場であることが基本。もちろん安心できてかつ楽しければなおよい。

○「見切りが早い」のは最近の親の傾向か
子どもが学童に行きたがらないと、すぐに学童に見切りをつけて他の行き場所を探し始める親が多い。以前なら、行ってくれなければ困るので親も、問題があれば何とか解決することにエネルギーを費やしたのでは。

(記録:脇田早紀子、堂井幸江、増子里美、梶田裕子、ほかの皆さん)