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資料

「夫婦で育児」分科会記録

保育園を考える親の会「夫婦で育児」分科会(1998 5/9)

筆者:別当律子

今回の「夫婦で育児分科会」は、親の会の分科会史上初めて?! の試みとして、今回の分科会の主催者にしてあの朝日新聞の「育休父さんの子育て日記」の連載、そして日経ウーマンで「共働き大賞」にも輝いた、脇田さんご夫婦のお宅で開催されました。

当日の参加者はホストの脇田ファミリーを除いて全部で7世帯。その内、ご夫婦での参加は3組と、やはり「夫婦で子育て」という今回のテーマにふさわしく、通常の分科会に比べて夫婦ペアでの参加者が目立っていました。

そして今回の分科会のもう一つの特徴は、開催場所が個人のお宅という気軽さを反映してか、全員子連れだったこと(1人はまだママのお腹の中でしたが)。しかも1歳代のとってもかわいいベビーギャングくんたちが中心だったので、さながら保育園の教室の中のような喧騒にとりかこまれながらも(笑)、約3時間に渡ってさまざまな話題について楽しい語らいのひとときがもたれました。(以下本文中敬称略:脇田・能=夫・脇田・早=妻です)最初に「分担がうまくいかずに妻ばかりに家事・育児の負担がかかってしまう原因には、勤務時間の格差、家事レベルに対する価値観の差などが根底にあるのではないか」(脇田・早)という問題提起がされ、続いて具体的な事例について、活発な意見が飛び交いました。

子どもが病気で保育園を休んだ時の対応

「とにかく病気に対する園の対応が厳しく、呼出しが多くて仕事にならない時期もあった。今はファミリーサポートセンターの病児ケアシステムや、やはり母親の方が仕事を休むことで対応している」(Y)、「夫の方が研究職で時間の融通が利くので、夫を巻き込んでいる。それでも無理な時はベビーシッターや廉価の生協でのサポートシステムを活用している」(T)、「園からの連絡先は夫を指定。子どもの面倒は実母に依頼している」(I)、「育児休業を取得しただけでも風当たりが強いし、女性の場合一度退職すると今以上の条件での再就職は難しい。そこで今は夫が退職して育児にあたってくれている」(K)といった各々の状況が出されました。これに対し「夫はとても子どもの病気で休める仕事ではないと妻だけが休むという夫婦もあるかもしれないが、休めない度合いは実は日によって違うもの。ある一日をとってみれば妻の方が休みづらいのに無理して休んでいるのかもしれない。休めない度合いの比較は難しいが、「休めないのに休む」体験を片方がまったくしたことがない場合は、対等な話し合いにもならず、仕事を休む相手の痛みもわからないことが多い。この問題に限らず、まずひととおり両方が体験してみることは大切」(脇田・能)といった意見が出され、参加者一同、深くうなずいていました。

日常の家事・育児における、夫婦の役割分担

 「男性の場合、ちょこっと家事・育児をかじった程度で自己満足してしまうし、まわりもよくやっているなどと持ち上げる」、「育児に関しては母親も父親もスタートラインは同じはず。しかし母親の方が育児に深くかかわっている分だけ技術的にも、また子どものなつき具合にも差が出てくるため、なし崩し的に母親の負担が重くなってしまった。非常に不満」(K)、「世間的にみればよくやってくれているのかもしれないが、家事・育児において完全に半分の役割を担ってくれない現状にはまだまだ不満を感じる」(I)といった現状に対する不満が出される一方で、「夫の育った環境もあって、家事・育児を分担しながら共働きを続けることは当たり前と思ってくれている」(O)といった意見も出され、夫婦の数だけ、それぞれのライフスタイルがあるということを実感させられました。

これに対し「男性だから、女性だからということで一律に差があるわけではないのに、経験によって大きな差(責任感と技術)が付いてしまうもの。一度差が出るとその差が固定し、さらに開きやすい」(脇田・能)、「我が家では、掃除については週に一度廉価な家事サービスをお願いしている。それだけでとても気が楽になった。家事に求めるレベルの差から夫婦でバランスがとれなくなった時は、こんな方法もある」(脇田・早)という体験談が語られました。また「夫に家事や育児をさせると、特に義父母などが快く思っていないようだ。周囲の理解はどうやったら得られるのか」(Y)といった質問に関しては、「私たちの場合は(結婚にいたるまでの経緯の中で)最初から「なにを言っても自分たちのやり方を貫くだろう」とあきらめてくれた部分もある。夫婦でどんなライフスタイルを選択しても、家族が日々幸せそうにしていれば周囲もだんだん認めれくれるはず。最近では私たちの影響か、縦の物を横にもしなかった父が皿洗いをしているほど。」(脇田・能)といった微笑ましい話も飛び出しました。

保育園の送迎

「子どもが小さいうちはパート勤務の方がいいのでは? と園から言われた」(K)、「フルタイム勤務の人が少ないのか、いつも最後の1人になってしまう。こちらも気にして閉園10分前には園に着けるようにタクシーまで使う時もあるが、お迎えに行った時には保育者が子どもの手をひいて窓の鍵かけなどを行なっている」(I)、「長時間保育は子どもがかわいそうという考え方が保育園にあるように思う」(別当)と、おもに園に対しての不満が多く出されました。これに対し「感情論・金銭論(預けてるだけのお金ははらっているといった感情)で対立することは避けるべき。気になることがあればためずに園や保育者にその都度伝えたほうがよい。その時言葉で伝えるときつくとられてしまうこともあるので、連絡帳をうまく使うことも考えよう。そして保育者といえども一人の人間であり、労働者であるということも理解して」(脇田・能)といった、預け始めての日の浅い人や、これから保育園という方に大変参考になる意見が出されました。

一方送迎に関する夫婦の役割分担という点については、「夫婦共に都合がつかず、どうしても実母に頼りがちになってしまう」、「送りよりもお迎えの方が絶対に大変。後ろの時間が決まっていて仕事をこなさなければならない気持ちを、もっとパートナーに理解してほしい」(I)といった発言が出され、これに対して「確かに保育園でも送りをする父親は増えたが、お迎えは依然圧倒的に母親の役割といった感がある。我が家では夫婦でこの日は絶対だめという日を出し合って、2人で調整をつけながら乗り切っている。そうすればお互いに週に何日かは集中的に仕事がこなせる日を作ることができる」(脇田・早)、「決まった曜日に二重保育を依頼してお迎えも頼んでいる。この日とこの日は残業ができますから、逆にこの日は定時に帰りますというやり方で会社の理解を得ている」(Y)といった方法が紹介されました。

育児休業・育児時間の取り方

 「(育児に関する)会社の諸制度が大変充実している。しかしこの制度が適用されなくなった時に、はたしてフルタイムが続けていけるのか不安」(T)、「職場で初めての育児休業取得者なので、上司の理解がなかなか得られず大変」(O)といった意見に対し、「実際に育児がスタートしてみないと、子どもとのかかわりの中でどの程度の期間自分が休職するのが適当なのかといった判断がつきにくいことも事実。私は半日勤務制度を一年間利用したが、仕事がなかなか進まない上にその後数年に渡って人事考課にも影響が出て、仕事のやりがいやおもしろさにも思った以上に響くことを実感した。ある制度をどのように使いこなすかは、じっくりと考える必要がある」(脇田・早)、「育児も仕事も100%を目指さなくてもいいのでは。この時期の(仕事の)アウトプットは8割くらいでいいと割り切っては。長い目で見て会社に貢献できるように組み立てていければ十分」(脇田・能)といった意見が出ました。また2人目、3人目の出産時期については、「3歳未満児の扱いは自治体によって差があるので考慮して」、「3人目ともなると、一番の上の子の入学・学童入所の時期も絡んでくる」(脇田・早)といった話が、第2子を(4月入園をにらんで)11月生まれにするために家中床研きに励んだ! というエピソードなどを交えて語られました。

この後、参加者各々で持ち寄った茶菓子を子どもたちと一緒につまみながら、ちょっと「つうしん」誌上ではご紹介できないような、夫婦のオ・ハ・ナ・シ(笑)なども飛び出して、笑い声のさざめきの中、「明日は(週に一度掃除をお願いしているシルバー人材センターの)Sさんが来るからちらかしっぱなしで大丈夫!」という脇田さんのお言葉に甘えて、ちらかし放題のままで、脇田家を失礼させていただきました。

夫婦によってそのライフスタイルは様々。でも荷物は一人で背負うより、二人で分け合った方が絶対にラクで楽しい」、「家事も育児もとにかく経験。すべてはそこから始まる」−この2つが今回の分科会で得られた結論のように思います。

 

我が家のリビングで行われた「分科会」。これは私のホームページを本格的に立ち上げるよりさらに前に行われたものです。でも、古くて新しい問題というか、とても典型的な内容が詰まっているというのが、今読み返してみた感想です。(2003/01/07)


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