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→ 保育園での投薬について

HP掲載 2000 5/26

70号の「つうしん」で話題になった保育園での投薬について、親の会メーリングリストの皆さん
の意見を聞いてみました(1999年4月)。

それぞれが責任をもって判断するべきでは
普光院 「つうしん70」に保育園での投薬について「日本保育園保健協議会」 の見解を掲載しましたが、皆さんはどんな感想をもたれましたか?
Hさん 保育園は、医療機関ではありませんから、「万が一の場合責任が持てないので飲ませられない」というのは理解できます。ですから、どうしても園で薬を飲ませることをお願いしたいのなら「万が一ミスがあっても、親が園側にその責任は問わない」という約束を園と交わした上で行うしかないのではないのでしょうか。(「別の子に間違って薬を飲ませて、その子に薬の副作用が出たら誰が責任をとるのか」と万にひとつも起きそうもないことまで言われたら、答えようがありませんが…)。
Nさん 娘を1才まで預けていた未認可保育園はOKでした。これは本当に助かりました。1才からの公立保育園では、原則として投薬はだめ。ただし、ケガのための痛み止めとか、園長が認めた場合のみ園長が責任を持って飲ませてくれました。娘が尿路感染症になったときや、じんましんのときも園長の判断で飲ませてくれました。塗り薬も、じんましんのときは看護婦さんが塗ってくれました。風邪薬以外は、大丈夫だったように思います。
Wさん 今通っている保育園では、投薬原則なし、ただし例外ありということになっています。看護婦さんが1人います。たとえば、風邪のひきかけ・治りかけの喉・鼻・せきの薬とかはダメ。熱もなく元気で滲出性中耳炎の抗生剤とか、アトピーの塗り薬とか(要するに慢性的、長期化していて元気なもの)は OK。あと、熱けいれんを起こしやすい子のけいれん止めをいざのときのために預けておくとかはアリです。薬を預けるときは1回分ずつ分けて日にちと名前をはっきり記入。A5版の書類もつけて投薬ミスを防ぎます。投薬日時、症状、薬の名前、処方した医院とか、けっこう書くところがあります。
普光院 親自身が保育者に預ける薬の量や種類をとり違えたりするミスが実際にあって、 保育者も不安を感じているということが「日本保育園保健協議会」からのコメントにありましたが?
Wさん 親がまちがえて預ける事故は、そりゃー、全面的に親の責任でしょう。親が自分で飲ま せてもまちがえるぞ、というか。
普光院 私のお世話になった園でも医師の処方した薬なら1回分だけ容器に入れて持参すれば飲ませてくれてとても助かったのですが、そういうのも「日本保育園保健協議会」から見れば、何かあったときに保育園では責任を負い切れない、ということがあるようなのですが…。
Wさん 薬に限らずどんなものでも責任のとりようはないと思うけど。ケガなどの事故はもちろん、心を傷つける言葉かけとか、何だろうが、とりかえしがつかないのは同じ。もともと 「なまもの(子ども)」を預かるんだから、特に薬に限ったことじゃないと思う。薬だけ切り出して「責任とれないから」というのはなんか納得いかないです。何だって、何か起きたときには(ほんとの意味では)責任とれないに決まっています。
薬を預けるメリット(必要性)とリスク(親が直接するのと比べてどのくらい間違いが増えるのか)を考えて、 薬を預けるべきかどうかは親が責任(何かあったときも含めて)を持って決めたいと思います。もちろん、間違いが起こりにくい預け方を工夫することは必要だし、現実的に保育園の負担について考えなくてはなりません。 現在の「原則禁止、応相談」はかなり妥当な線だと思います。

朝、帰宅後、就寝前の3回というのはできない人もいる?
Nさん 風邪薬については、園長先生もかかりつけ医師も、「日本保育園保健協議会」と同じく、朝、帰宅後、就寝前の3回飲めばいいという考えでした。また、1日2回ですむ薬はそのように処方してくれました。
普光院 朝、帰宅後、就寝前の3回飲むというのは、延長保育をしている人は帰宅が夜7時を過ぎると思うので、いいのかなあとも思いますが?
Nさん 医者に聞いたのですが、薬を飲む時間は朝と昼も3時間ぐらいしかあいてない場合が多いので、3時間ぐらいあいていればいいとおっしゃっていました。これは、あくまでも、保育園を休まなくてもいい程度の風邪の場合です。病気の種類や症状によって違うと思います。
Hさん 内科医としてごく一般的な薬についてだけをきわめておおざっぱにお答えしたいと思います。
1日3回飲むように指示されている痛み止めや、解熱剤のたぐいの薬だと、朝自宅で飲んで、次飲むのが夜7時でしたら、その間に薬の効果はかなり少なくなると考えていいと思います。1日3回飲むように指示されている咳止めや、かゆみ止めも同様だと思います。 これらのような、ある症状を抑えるために、対症療法として1日3回飲むことを指示されている薬は、朝飲んだ後、夕食を食べる頃まで飲まないでいると、その頃には薬の効果はかなり少なくなり、その症状は抑えきれなくなっていると考えてよいと思います。
一方、抗生物質、これは細菌を殺すため、つまり根本的に病気を治すために飲む薬です。これを1日3回飲むように指示されている場合、薬の血中濃度を一定レベル以上に保つためには、なるべく均等な時間割で飲んだほうがよいのは確かです。でも、場合によっては、朝、夕、就寝前になってもよいかなとも思います。朝、昼、夕に飲んだって、朝と昼が3時間くらいしかあいてなくて夕と翌朝が10時間以上あいてしまうことだってよくありますから。ただし、夕と就寝前の間隔はやはり3時間くらいはあったほうがよいでしょう。あまりに内服時間が近いと薬の血中濃度が上がりすぎ、薬の副作用が起きやすくなりますから。
実際の薬の飲み方は、必ず主治医に個人の事情を話し、相談した上で、主治医の指示のもとで行うようにお願いいたします。くれぐれも自己判断なさいませんように。

投薬の問題以前に看護婦さんの配置を求めたい
Bさん S区は行政の方針として投薬禁止です。ちょっと違った角度の意見を言わせて いただければ、投薬問題を語るなら、まず要求したいのが「全保育園に 看護婦設置の義務化」です。これを前提にして、論議したいですね。
皆さんのご意見にも出ていますが、薬って慢性病の薬から外用薬、目薬までいろいろ ですよね。ひとくくりで語られるべきではない。そもそも風邪くらいで抗生物質や解熱 剤を無理やり使うべきでないという医師の方もいるなかで、保育園に行くくらい回復し ているのに、投薬が必要なのかという問題もある一方、溶連菌感染症などのように、表面上の 症状が消えても2週間程度抗生物質の継続投与をしなければいけないなんて病気 もあると聞いています。
アトピーのように症状のひどい時には昼寝もできない、なんて場合まで禁止にするの はどうかなと思いますし、いじわるな言い方をすれば、保育園で蚊にさされてかゆがっている のに、虫さされの薬もつけちゃだけなのかとかね。このあたり、すでに現場では 柔軟に対応してるでしょうけど(投薬禁止のS区でも…です)。
STさん Bさんの保育園に保健室義務化というか設置してほしい、のご意見に大賛成 です。お金のある企業は保健室があり、看護婦さんおよび薬剤師さんまでいるというこ とです。大人の組織機関ですら設置してあるのですから、訳わかんない子どもにはけが はつきもの。ぜひ一度問題としてとりあげてほしいものです。
ちなみに、うちは3人の子どものうち2番目が結構ひどい喘息体質なのです。入院は したことがないものの、季節の変わり目、気温差のひどい日は薬がかかせません。これ はもう病気というよりも、その子の体質ですから、薬なしではいられない、逆に薬を飲 めば1日で魔法のように発作がおさまるのです。別にこの程度の投薬なら、説明つきで 1回ずつ袋に入れて担任の先生に手渡しなのでそう大迷惑だとは思わないのですがね。 こんなことでもペケなら、実際問題お仕事できませんよお。
Iさん わが越谷市は、職員室の中に保健室もあり、看護婦さんも常勤で1名、原則と して0歳児クラスにおります。医師の処方箋による投薬は1回分を容器に入れて、病院 名、病名、食前後の区別、保護者名を記入した与薬表を一緒に置けば投薬してくれます。 市販薬はいっさい禁止です。これは公立園の話で、同じ市内でも私立認可園には看護 婦さんもいません。確かに公立、私立の違いでしょうが、保育料が同じなのにこの差は 何だ、と私立から公立に転園したときに思いました。
KMさん わが子が通っている園では、投薬は原則禁止、実際は容認ですが、看護婦さんが 責任を持ってのませてくれているようです。保育者は、子どもの健康に関しては全面的に 看護婦さんに頼っていて、発熱の際の呼び出しの判断から、昼間の突発的な病気・ケガ等の 病院へ連れて行くかどうするかという判断まで、すべて看護婦さんに判断を 任せています。保育者だけだと、何かあったときどうしようと不安になるのかもしれま せんね。

保育士の負担が大きくなれば 事故も起こりやすくなる
SYさん 3歳児クラスの長男は目が弱くて年に数回結膜炎になってしまいます。先日 も眼科医に通園許可をいただき、朝自宅で1回、保育園では午前、午睡前、夕方の計3回程度 お願いしました。点眼を嫌がるので忙しい中、先生方もさぞ大変な ことだろうなと 思いながらも、引き受けてくださることに感謝しています。点眼薬容器とそれが入った 小さなビニール袋にはマジックでめいっぱい大きな文字で名前を書くようにしています。 「保育園保健協議会」の存在は今回はじめて知りました。入園説明時に「薬は預かれない」 と1行程度書いてありましたが実際にはケースバイケースで対応してくれています。 ありがたいことですが、過去の事例をもっと保護者に知らせることにより親の判断力も 高まると思います。
KMさん 服薬が日常生活を営む上で必須の、持病のあるお子さんはともかく、風邪薬 などを大勢のお子さんがいっせいにもってきた日には健康な子どもの保育もおろそかに なってしまうし、神経使うしで大変だと思います。
Wさん 風邪薬くらいなら、うちでは昼の分とばしてます。別に飲んだら治るっちゅー もんじゃなし…といいかげんな親です。あんまり気にしてません。風邪薬も預けること にすると数が多くなって、一人の看護婦さんで対応するのはたいへんだし、取り違えミスの 危険も出てくると思います。今は、どうしても必要な薬は預けられるし、数も多く ならないから注意もいき届くし、きちんと確認して預けるので安心です。
KNさん 一番問題なのは、保育士が忙し過ぎることではないかと 思うのです。投薬ミスが 発生するとしたら、それが原因のように感じます。医療ミスが最近ニュースでよく 流れます。看護婦でも基本的なミスをしているのは、忙しいうえ人員も不十分という環境も 一因ではないかと思います。
Bさん KNさんもご指摘になっているように、もし現状で投薬開始ということにでもなれば、結局負担はすべて保育士にまわってきます。現状ではきびしいし、忙しい中での投薬は事故につながりやすい。だからこそ、もし実施するなら(投薬だけのためではないですが)看護婦配置をしてもらいたいという希望です。乳幼児は症状の変化が激しい。
突然、なんのまえぶれもなく、またたく間に深刻な病状に陥りやすい。その施設に医療知識のある人ゼロというのはリスキーすぎる。「園医がいるではないか」と行政の方などは主張しますが、園医で対応できるレベルなのか、救急車で大きな病院に連れて行く必要があるのかの判断も、医療知識のある人物が必要でしょう。それに園医は常駐ではありません。

薬の多用は子どもの自然治癒力を損ねる
Yさん 私も職業柄(看護学校教師です)興味があるので、皆さんの意見じっくり読ませていただきました。
私個人の意見なのですが…。保育園に行ってるとどうしても病気をもらってくるので仕事のやりくり大変ですよね。私も薬で抑えながら保育園に行かせたことがあります。でも、子どもは病気になったらちゃんと自分で治そうとする力を持ってます。風邪薬なんて症状を抑えるための薬であって風邪を治すものではありません。もちろんつらい症状のときは使った方がいいこともあります。
ただ、熱が出る、咳をする…といった症状は身体が病気と闘っているときに出るものです。これを抑えるということは自然治癒力を阻害することにもなります。病気の子どもを見るのは親としてつらいこともありますが、もう少し子どもの自然治癒力を信じてあげてほしいなぁと思います。熱や咳、嘔吐といった身体の外に出す症状はむしろいいことなのだと思うくらいでちょうどいいかもしれません。心配なのはそういった症状が外に出せないこと、たとえば便秘、汗が出ない、低体温などです。自然治癒力もないほど生命力が弱ってるのではないでしょうか。


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