働くママ&パパのがやがやトーク
→ 保育園での乱暴・ケガ
HP掲載 2006 8/9
乱暴な子いませんか?
Aさん うちの子は2歳児クラスですが、ひとつ上のクラスにとっても乱暴な子がいました。そのクラスの親たちの間でも有名で、なかには「Tちゃんに近づかないように」と言い出す親までいたそうです。
T君の乱暴ぶりは相当なものでした。その子はいつもお迎えが最後のほうだったの
ですが、先に親が迎えにきた子に暴力をふるうのです。石を投げつける、けとばす、
突き飛ばす、そのときの形相たるや、とても3歳の子どもとは思えませんでした。
見て見ないフリが出来ないタチなので、見たときは本人に直接注意しましたが、は
たして効果があったかどうか。
この世に生まれてたった3年で、近寄るなって言われる子どもって、あんまりかわ
いそうだし、この先心配です。子どもが小さいうちは、お互い様って感じですが、大
きくなるにつれ、いつも乱暴な子というのが決まってくるようです。そういう子も含
めて社会だから、我が子をどんな子ともつきあって行ける強い子に育てるしかないん
でしょうか。
Nさん 昨年まで3歳の子どもを預けていた総勢15名の無認可保育園にいたKちゃん
のことを思い出しました。Kちゃんも乱暴な子どもで、朝登園すると寄ってきて「こ
うへいくん(家の息子)とは遊ばないからね!」といったり、いきなり殴ることもあ
ります。息子は朝、玄関にKちゃんのくつを見ただけでかたまってしまうほどでした。
私も心の中では怒りに燃え「たとえ小さな子どものこととはいえ許せん! いつかぶ
んなぐって泣かせてやる!!」と思いつつ、表面では「意地悪しないでね〜」などと軽
くかわしていました。
ある日 保育園の先生から「Kちゃんのお母さんが看護婦さんで不規則な勤務のた
めKちゃんが荒れてしまってかわいそう。なんとか心を直してあげたい」という話を
聞き、はっとしました。(夜勤の時には近所の親戚とか預けまくっていたらしい・・・
でも仕方ないですよね・・・)。寂しいから、お母さんといっしょに居る子どもをみ
ると意地悪してしまう子どもの心理・・・寂しい気持ちを暴力でしか現せないのは性
格かもしれないけれど、子どもの素直な表現なのだと思いました。
それからもKちゃんの暴力は続きましたが、極力Kちゃんに触れながら頭をなぜた
り、時には体ごと持ち上げて投げ飛ばす真似をしたりして遊んでみました(といって
も朝のわずかな時間ですが)。初めのうちは思いっきり無視されつづけていましたが、
そのうち私がいくと背中に飛び掛かってくるので息子とKちゃんの両方を抱っこしな
がら部屋に入ったり、という和やかな雰囲気になり、気が付けば笑顔の可愛い人懐っ
こいKちゃんになっていたのです。もちろんKちゃんと息子もすっかり仲よし。うち
の子に手を挙げることはなくなりました。もちろんこれは先生の愛情のこもった指導
のおかげでしょう。
卒園式の時にKちゃんのお母さんが、Kちゃんが荒れていた時の苦悩の告白をし、
いじめた子どもたちにも悪いと思いながらどうにも出来なかった、と泣きじゃくった
ことが忘れられません。
3歳の子どもは寂しさを我慢しようとすると意地悪や暴力でしか表現できないのだ
と思います。だからお迎えがきて楽しそうに帰っていくお友達をみると悲しくてどう
にもならないのだと思います。ぎゅって抱きしめて「お母さん、もうすぐ来るよ」っ
ていってあげたらどうでしょう?
我が家の息子も7時まで預けていますが、いつも最後の一人になっていて、迎えの
父を見つけると狂ったように走ったり笑ったりして喜ぶそうです(しかも毎日・・・)
。
子どもはきっと寂しさを我慢して我慢してるんだなあと思うと切ないです。Tちゃ
んも心が幸せになればきっと良い子になっていくんじゃないかなあ。
子どもって、朝知らない人に「おはよー」っていわれただけでも緊張がとけてリラッ
クスしたりするそうです。周りの大人の愛情で心をゆるめてあげらるといいなあ、と
思います。
ケガさせられたときどうしてます?
Sさん 息子(1歳11ヶ月)が通っている園では、けがをしたり、かまれたりする
とどんな風にけんかになったのか、どんな風にけがをしたのかの報告と先生のお詫び
とはあるのですが、『誰が相手なのか』ということは一切教えてくれません。今まで
息子については、危害を与えてしまったという報告は受けたことがないので、危害を
与えたことがないのか、やっていても報告がないのかは不明です。たぶん、危害を与
えたら報告はしてくれると思いますが、『だれに』したのかは教えてもらえないのだ
と思います。
誰にやられたのか、追求したいわけではありません。まだ、小さいのでおもちゃの
取り合いの結果、噛んでしまうとかはしかたがないことだし、よくあることなのでお
互い様だと思っています。
もし息子が友達に怪我をさせてしまった場合など、相手がわかれば、友達関係も想
像できそうだし、ごめんなさいの電話が出来るし、それをきっかけに親同士がコミュ
ニケーションできるのではないかなぁと思うのですが・・・。知らないほうがいいの
でしょうか?
Aさん この話題、うちの保育所で今年の懇談会の話題になりました。
うちの保育所でも、子どもがケンカなどの結果、歯型やキズが残ったときだけ、保
育士から直接、報告を受けます。「お母さん、ごめんなさい。防げなくて」と、かな
り平身低頭謝って来ます。どんな些細なことでも、手が赤くなっている程度でも報告
してくれるので、包み隠さず言ってくれるという安心感はあります。ただ、相手の子
の名前は言わない決まりになっているようです。
で、今年の懇談会で「自分の子が悪いことをしたときは、率直に言ってほしい」と
園に提案しました。他の親御さんたちも賛成でした。しかし、園では「疲れて帰って
きたお母さんに、追い討ちをかけるようなことは言えない」といいます。私が「その
場だけ心地よい気分でいられるより、子どものことを考えれば、率直に言ってほしい」
と言うと、「あまりひどいときには親御さんにもお伝えします」ということに。でも、
以後とくに何の報告も受けていません。
T君のように、他の親はみんな知っていて、当の本人の親が知らないという状況は、
もし自分ならイヤですし、親の立場で悪いことは教えていきたいというのが私の考え
ですが、やっぱり、いざ言われるとキツイでしょうか。
でも、3歳くらいになると、自分で何でも言うようになり、この問題は自然に解決
していくように思います。昨日も、顔に大きな引っかき傷を作って帰ってきたので、
「ひどいね!!」と言うと、「でもショウチャン(自分のこと)もやったの。タカちゃ
んだけ悪くないよ」と、友達をかばっていたので、うれしくなりました。また、親子
遠足などで親同士が顔見知りになるにつれ、キズつけて帰ってきてもあんまり気にな
らないようになりました。隣近所の騒音が、知り合いだとあまり気にならないのに、
交流がないと、よけいうるさく感じるのと似ています。
Hさん 区立保育園2歳児クラスです。うちの園では、0歳児クラスの時から
- ケガをさせた方には、誰にどんなキズを負わせたか、親に説明し
- ケガをさせられた方には、誰にやられたのかは伏せて、お詫びのみ
です。なぜわかったかというと、かまれた時に、相手のお母さんから電話をいただ
いたので、あぁ、ケガさせた方には相手を連絡してるんだな、とわかりました。これ
だと、謝りたい親は謝れるし、謝らなかったとしても別に恨まれることもないし、な
かなかよい仕組みだと思いました。
いちいち電話するヒマがないこともあるし、送迎時に会える親同士なら一言謝れても、
そうでもないと機会を逸するってこともあるし。
そして、ケンカの時には、両方の親にどういう状況でどんな風になってどういうキズ
になったかを説明してくれます。見ていなくてフォローできていないときには、「見
てなかったんです。ごめんなさい」と言われます。(最近、見てなくてごめんなさい
が多い、、、ちょっとむっとしてます)。
うちの子どもは「○○ちゃんにやられた」とか言うのですが、その前に自分がおも
ちゃを貸してあげなかったとか自分が先にたたいたとかは絶対に言わないので(3歳
にして悪知恵が…あぁ!)、子どもの言い分だけ聞いているとどうもおかしいので、
やっぱり先生のフォローは必要だなぁと思っています。
F 乱暴な子についてのNさんのメールにとても感動しました。みんながこういう
境地に達すれば、子どもはもっと生きやすくなるし子育てを支えあうことができるの
でしょうね(いろいろ反省しつつ)。
子どものケガさせた、させられた問題は、保育園にとっては実に悩ましい問題のよ
うですよ。私は先日、新任園長セミナーなる催しで話をしてきましたが、そのときに、
終了後、園長先生にこの問題を質問されました。保育園も悩んでいるのです。
- 名前を教えたら親同士のトラブルのタネになりやすい。
- 教えなくても親同士のトラブルになりやすい。
私は以前から、今の子育て困難の一因に「親の神経質」があるのではないかと思っ
ています。特に、専業主婦の方は、公園で毎日こういうことに気をつかってあやまっ
たり、あやまられたり、相手の親に気をつかって、わが子に過剰に干渉せざるをえな
い状況があります。少々のことは「お互い様」で済ませられば、楽になるのですが、
なかなかそうはいきません(育休中、私も公園で気をつかいました)。
その点、親が子どもに過剰に干渉しなくていい、というところが、保育園の一つの
メリットだとさえ、思えます。「親が謝りたい」というのも当然だし、自分の子ども
が何をしようとおかまいなし、ではいけないとは思いますが、しかし、あまり神経質
になると、お互いにしんどいし、「親のメンツのために子どもを叱る」ふうにエスカ
レートしても困ります。
さて現実問題、そうはのんきに構えておれません。そのとき、園長先生たちと話し
合ったのは、こんなことでした。
- 年齢の小さい子どもの「かみつき」などは、噛まれた子どもの親には園の責任と
して詫び、噛んだ子どもの名前は言わない。
- 噛み付いた子どもの親にも「お友だちに噛み付いた」と報告するが、特に相手の
名前は言わない。
・・・というのが、いいか?
ただし、このような園の方針について、保護者に説明しておくことが必要。また
「かみつき」がどういうものかも、説明しておくことが必要だ。(「かみつき」は、
まだ言葉が出ない子どもの表現手段のひとつであって、1才前後で「流行」しやすい。
もちろん保育者は噛み付きが発生しないように注意し、噛み付いた子どもには「噛ん
だら痛い」ということを、その都度教えている=私の園の説明)
子どもが自分で話せない小さい頃はこれでいいのですが、大きくなって子どもが自
分で報告できるようになると、親が家で話を聞いてトラブルになるケースも多いよう
です。被害者の側だけ子どもから話を聞いていて、加害者の側は話を聞いていないと
いう場合が問題になりやすいんですね。この場合、園としては、少なくとも加害者の
保護者には、ケガをさせた相手の名前を言っておいたほうがいいのか? という話に
もなりました。
こういった園の悩みを聞いて思うのは、保護者懇談会などの機会に子どものケガに
ついての園の考え方を伝えてもらい、親同士でも話し合ってお互いにあまりしんどく
ならないように、なるべく共通認識をもっておいたほうがいいのだろう、ということ
でした。親同士が仲がいいと、ちょっとしたことなら「お互いさま」ですんでしまう
ので、その意味でも、親同士のコミュニケーションが大切だと思いました。
Kさん 実は家の長男も4才のときに、乱暴狼藉をはたらいていたということがあり
ました。しかし、先生は僕たちには一切教えてくれず、被害にあって「保育園に行き
たくない」というお子さんのお母さんが僕の役員仲間に相談されて、やっと知りまし
た。大変、ショックでした。我が子が乱暴だったということより、そのことを知らな
かったことがショックでした。すぐに担任に電話をして確かめて、どうも事実らしい
と確認し、すぐに相手の家庭におわびをしました。その後、クラスの保母さんたちと
初めて個人面談をしてもらいました。先生の話では「闘いごっこの延長で、パンチが
出ているだけ」「被害にあったとされている子の家庭では赤ちゃんが出来たばかりで
甘えたいのではないか」という話でしたが、子どもさんが「保育園に行きたくない」
とまで言っているのは事実なので、「そのことをなぜ教えてくれなかったのか? 親
は保育園での子どもの様子を知る権利がある」と抗議しました。
園としてはそんな程度のことであっても、親としてはそのことをまったく知らされ
ていなかったということが悔しくてたまりませんでした。
その夜、僕は子どもに確認し、説教しながら泣きました。いつもどなりちらすオヤ
ジが泣いているのを見て、彼も深く考えたようです。
職員にとっては問題行動とも呼べない一過性の事象で、いずれ治まるだろうという
考えであったのでしょうが、それは「私たちは専門家だから、自分たちで解決できる」
という過信とも僕は思えました。
うちの保育園はいい保育園なので、1歳くらいからFさんが言うような懇談会がも
たれていました。その事件が発覚してから、懇談会でその問題を取り上げてもらいま
した。珍しく、「その場には私が行きたい」とうちのカミサンが出席したのですが、
「やっぱり、親同志、変な遠慮無く、子どもたちをみんなで育てようよ!」「先生も
少なくとも問題行動を起こしている子どもの親には伝えてほしい」という結論になっ
たようです。その後は以前にまして、クラスの親の結束は強くなりました。卒園後4
年経っても、夏にみんなで合宿に行っています。
|