親の会からの意見書・要望書
→ 「認定こども園」パブリックコメント
2006 7/13
第164回通常国会において「就学前の教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」(いわゆる「認定こども園法」)が成立したことをふまえ、「認定こども園の認定基準に関する国の指針案」へのパブリックコメント が募集されました。これに対して、「つうしん113」に掲載していた普光院の見解、会員からのご意見をふまえ、パブリックコメントを提出しました。
厚生労働省幼保連携推進室 御中
「認定こども園」パブリックコメント 意見
保育園を考える親の会 代表 普光院 亜紀
1) 最低基準について
両省内には、都道府県においては、国が定める認定基準よりも緩やかな基準を設定することも可能とする見解があるようですが、子どもたちのよりよい環境を全国に整備するための法律案ではなかったのでしょうか? 自治体の財政事情から基準が低くなり、子どもたちの環境が劣化していしていかないように、国がきちんとした基準を示すべきです。
また、幼稚園型における0〜2歳の預かりは、認可外保育施設に分類されるということですが、それでは、幼稚園型の認定こども園の3歳未満児保育に運営費補助を出さないということになります。最も手がかかる3歳未満児保育が手薄になることの危険性、そのしわ寄せが全体の保育の質を低下させる恐れを認識する必要があります。補助できないのであれば、3歳未満児保育を許してはならないのではないでしょうか。
2)保育料・運営費について
直接契約になり、どのくらい市町村のコントロールがきくのか不安があります。よい保育をするための運営費が確保され、かつ、家計に配慮された保育料であってほしいと考えます。認定子ども園が、従来の保育所が果たしてきた子どものセーフティネットの役割を合わせもとうとするのであれば、少なくとも「保育に欠ける子ども」については、保育料や入園者の決定は認可保育園と同様の扱いにするべきと考えます。
一方、園の中で、保育料の料金体系が2つに分かれることについては、その均衡をどうするか、議論になっていくことが予測されます。しかし、公的補助がなければ、就労を支える8時間以上の長時間保育のコストは支えきれません。親同士の平等の議論のために、子どもの最善の利益が損なわれないよう、児童福祉の理念も明確に含んでいただきたと思います。
さらに、認定こども園の認定を受けた保育所が、通常の保育所よりも低い保育料を設定した場合、その差額は施設の負担となるという両省の見解を聞いておりますが、需給バランスがとれてくれば低価格競争が常態になることは十分に予測されます。このしくみで保育料を安くすれば運営コストも削っていかざるをえないのであり、子どもの終日の生活を支える施設で、それがどのような形になって現れるのか、慎重な判断をしてもらいたいと思います。
3)入園の扱い・利用者保護について
直接契約になると、入園者の決定や、保育内容が施設まかせになり、たとえば、障害児やトラブルをかかえた家庭の入園を断られたり(逆選択)、保育内容に問題があって苦情を申し立てても「園の方針が気に入らないのならおやめください」ということになるのではないかという不安があります。認定こども園に、認可保育園的な役割もおわせるのであれば、事業の公共性を明確にし、地域の児童福祉を担う責任を明確にしていただきたいと思います。
4)保育内容について
幼稚園との一体化ということで、保育園の生活の場としての機能が保たれるのかどうか、一日の流れのなかで生活のリズムをつくり、生活習慣まで目配りした保育が行われている保育園保育のメリットを失ってしまわないか、が心配されます。
最近、幼稚園のカリキュラムをいくつか詳しく見る機会がありましたが、1日平均4時間程度の幼稚園の保育は、「短時間で課題を達成する」ことに重きが置かれる傾向があるように思われました。また、一日の生活を通して保育目標を設定している保育園とは、子どもをとらえる視点の数も違うようにも感じました。
保育内容については、生活を包含する保育所保育指針をベースにすべきと考えますが、次のようなことを具体的に配慮したガイドラインを作成していただきたいと思います。
- 一日を通した目で保育を組み立ててほしい。つまり、幼稚園時間をコアタイムに設定して、そこにすべてを集中し、午後の保育をつけ足し的な「おのこり」「お預かり」保育にしてしまわないように。
- 午後に月謝をとって業者による教室(英語など)を導入している幼稚園が多いようだが、認定こども園では、午後も正規の保育時間なので、子ども集団の中での学びあいを大切にし、子ども同士の自主的な遊びの時間を尊重するなど、本来の幼児教育のねらいに立脚した保育方針のもとに保育を行ってもらいたい。
以上
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