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親の会からの意見書・要望書

→ 保育の規制緩和に対する保護者の意見書(共同提出)

2013年4月17日

提出先:規制改革会議委員各位  厚生労働大臣

保育園を考える親の会 代表 普光院亜紀

保育の規制緩和に対する保護者の意見書
〜子どもの育ちを視野に入れた待機児童対策を要望します〜

 私たちは今、安心できる保育所の増設を求める声に応え、国が待機児童対策を重点課題として考えてくださっていることを聞き、期待をもって見守っております。しかし、3月21日に開催された第5回規制改革会議で議論された内容は、とても受け入れがたいものでした。保護者の立場から次の点を要望します。

(1)「詰め込み」による待機児童対策は認められません。
 貴会議の「保育に関する検討事項」に「待機児童が一定数を超える都市部の保育所については、緊急措置として、できる限りの特例的・時限的な規制緩和を認めるべきではないか」と記されている点について、懸念が広がっています。
 日本の保育所に関する基準は、保育士人員についても、保育室面積についても、先進諸国の水準よりも劣っています。にもかかわらず、待機児童が多い地域では、面積基準ぎりぎりまで子どもを詰め込む保育が行われており、事故の原因ともなっています。この基準をさらに緩和するとどうなるのでしょう。保護者は、安心できる保育を求めているのであって、子どもを詰め込み、その命や発達を危険にさらすような待機児童対策は望んでいません。
 なお、面積基準は、待機児童が解消された暁には即座に切り上げを実行し(*1)、子どもの処遇改善を行わなくてはなりません。

  • *1 平成21年「機能面に着目した保育所の環境・空間に係る研究事業」の報告が示した必要基準は、0−1歳児1人当たり4.11平米、2歳以上児1人当たり2.43平米。

  (2)保育士の人材確保、十分な配置を求めます
 同日の議論では保育士配置数の緩和や外国人労働者の導入によるコスト抑制にふれる意見も出されていますが、専門性をもった保育士の十分な配置は、子どもの健やかな発達のためにどうしても必要です。「ホスピタリズム」(*2)を指摘した1950年代の欧米での調査研究によりその必要性が明らかにされ、日本でも1960年代にこれに対応した保育士配置の改善があり、現在に至っています。
 それでも現行の保育士配置基準は不十分なため、子どもの処遇改善のために配置を上乗せしている自治体が多いのですが、これを同日の会議の中で「上乗せ規制」と呼び、廃止したほうがよいかのような議論が行われたことは非常に残念です。

  • *2 終戦直後、孤児院等で子どもの死亡率が高く心身の発達の遅れが目立つことが問題となり、「ホスピタリズム(施設病)」と言われた。その後、子どもの心身の発達には養育者(親、保育者)がこまやかな関わりをもち子どもと愛着関係を築くことが重要であることが明らかにされた。

(3)子どもを大切にする地域の主体性を尊重してください
 同日の議論では、「面積基準の特例措置」を活かして基準緩和を実行しない自治体に対して国が緩和を迫るように求める意見がありましたが、そもそも「面積基準の特例措置」は地方分権の名の下に実施されたものです。当会は、自治体首長や議会の考え方によってその地域の子どもが不適切な環境で保育を受けることになることはあってはならないと考え、最低限度のガードレールとして国の基準を堅持するよう求めてきました。現在、「面積基準の特例措置」による基準引き下げを実行した自治体がないとすれば(厚労省調べ)、自治体に住民の声が届き、子どもの育ちの環境についての良識が維持されたものと考えたいです。
 最低限度の国の基準の上に、自治体が住民の声を聞き、子どものためにより望ましい保育を築くことを尊重していただきたいと思います。
(PDF版)

<共同提出した団体・個人の意見>

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