こんな情報を聞いてきました
会の代表普光院さんが外部の方々と交流したり、相談を受けて調べたりした際に、
聞いてきた情報を機関紙『つうしん』77号のためにまとめたものです。
保育制度が変化する中、いろいろな問題が提起されています。
保育ママさんのベビールーム
- 保育ママさんのベビールーム
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東京都には「家庭福祉員」という保育ママの制度があります。
本来は、保育ママの自宅に保育専用室を設けて保育するものですが、
都内のきびしい住宅事情では、なかなか保育専用室を設けられない場合も多く、
保育ママのなり手を確保できないという問題があります。
そこで、注目されたのが、保育ママさんのベビールーム。
板橋区には以前からありましたが、区が建物を提供して、保育ママが
集まって保育するという形です。練馬区(駅前保育)や中野区にも登場しました。
これについて、会員の方から「区が無認可保育室をやっている?」という不思議な
問い合わせをもらったり、会員外の方から、ベビールームの土曜保育が別料金で
あることの相談を受けたりして(区の制度上は保育料に含まれることがわかり後に
改善された)、ベビールームについて調べる機会をえました。
つまるところ、これは区がお金を出している保育でありながら、認可保育園ではなく、
実体は個人契約の個人事業の集合体でありながら、親から見ればどう見ても
「保育園」という不思議なものになっているのでした。
認可保育園よりも経費がかからないので、待機児の多い区の苦肉の策ともいえます。
また、普光院が見学に行った施設は、区の施設の1階に広いスペースを確保しており、
熱心な保育ママの方々が頑張っていて、施設としては良好な環境でした(ただし同区の
ほかのベビールームはマンションの上階の1室であるものが多い)。
しかし、そこで聞いたお話その他から整理すると、メリットもある反面で矛盾がある
ことがわかりました。
- グループ保育のメリット・デメリット
- [グループ保育のメリット]
- ○自宅にスペースを確保しにくいために保育ママのなり手が少ない地域では、場が提供
される。
- ○複数の保育者がいるので長い保育時間に対応するためのローテーションを組める。
- ○複数の保育者がいるのでお互いの休みや緊急時に補い合える。
- [グループ保育がかかえる矛盾点]
- ○制度としては家庭福祉員制度であるにもかかわらず、外形的には「保育園」である
ため、保育者と利用者の間に意識のギャップがある。
- 例)複数だから補い合えるといっても保育園と同様の保育体制にはなっていないが、
保護者は保育園と同じ対応を求める。
- 例)個人の保育ママならば、区との契約時に提供すべきとされたサービスを上回って
保育するかどうかは利用者との相談で個別に取り決めができるが、グループ保育では
組織としての一律の対応が求められる。
- ○リーダーがいないために、判断、決定、保護者への対応が全体としてできない。
ローテーションを組んだり、構成員の意思をまとめるなど、組織として行動するための
管理者の仕事は、家庭福祉員の制度のどこにも位置付けられていない。
- こういった矛盾については、この制度を最初に導入した板橋区でも認めており、今後
改善を検討していきたい、とのことでした。施設保育として完成するのであれば、もはやそ
れは「保育園」というべきではないのか、という疑問も残ります。
- 従来の保育ママ制度:メリット・デメリット
- ところで、家庭で保育する本来の保育ママ制度については、次のようなメリット・デメリットが
あると考えています。
グループ保育は、そのデメリットの一部を解決する試みではあるのですが……。
- [保育ママ制度のメリット]
- ○保育者、少人数の子ども、保護者という密な関係、個人宅という環境の中で家庭的な
保育ができる。
- ○個人契約なので必要な保育時間に柔軟に対応できる。
- ○個人的関係の中で保育者が保護者の相談にのるなど精神的に支えることができる。
- [保育ママ制度のデメリット]
- ○代替要員がいない問題(利用者全員<多くて3世帯>の要望に合わせようとすると、
保育者の適正な労働時間、休みを確保することが難しい、保育者の病気や緊急時には
保育休止となる、など)。
- ○ある意味では密室の中の保育なので質にバラツキが生じがち。
- 国も保育ママ制度補助へ
- これまで保育ママ制度は自治体の事業として行われてきましたが、平成12年度から、
国も「家庭的保育事業」として、保育ママ制度に助成を出すことになりました。12年度の
予算は12億8700万円(対象児童5000人分と、連携する保育園200か所分)。保育ママと
連携する保育園への補助も盛り込まれており、前述の保育ママ制度のデメリットを保
育園が補っていく効果を期待できそうです。
保育ママが年次有給休暇をとったり、病気になったりしたとき、預かっている子どもを
近くの保育園が見てくれたら、保育ママも親も助かります。また、保育園との交流に
よって、保育ママの保育技術のバラツキを減らすこともできるのではないでしょうか。
日頃から保育ママが子どもを連れて保育園を訪れたりして、信頼関係を築いていくことが
できば効果的だと思います。
これには保育ママの斡旋まで保育園でやるというプランも書かれています。しかし、
あまり負担がふえると保育園側が担いきれない恐れもあるのではと危惧します。
この事業は保育ママが居宅で保育することを条件にしているので、グループ保育は助成
対象になりません。
- [参考:国の家庭的保育事業の基準]
- ○対象児童:満3歳に達した年度末までにある乳幼児(保育に欠けるもの)
- ○保育者の要件:
保育士または看護婦の有資格者。
保育者の居宅で保育すること。
保育する児童の人数は3人以下であること。
保育時間はおおむね9時間で、延長保育に対応できること。
- ふえるベビーホテル
- 電話帳で「保育園」を引くと見ると、認可も認可外もベビーホテルもいっしょくたで、
しかも低料金を謳って、サービスを宣伝しているのはベビーホテルばかり。
都内ではベビーホテルが急増しているそうです。1998年1月には109か所、1999年6月には
126か所、2000年1月には131か所(都の把握数)。待機児問題や認可園の規制緩和の
動きがある中で、「保育は有望事業」と考えて開業する事業者もふえているということです。
東京都ではベビーホテルを電話帳などで調べて訪問調査・指導・勧告をするという地道な
作業を行っていますが、昨年度、国および都の指導基準に照らした調査では基準に
すべて適合したところはほとんどなかったそうです。
ベビーホテルにもいろんなものがあり、良心的なところもありますが、人手、設備の点で
不十分なところもあるので、利用する場合は中味をよく見る必要があるでしょう。
「ベビーホテルは国や自治体の助成がありませんから、低料金で預かれるというのは
子どもへの処遇がきちんとなされているかという視点で考える必要があります。
ベビーホテルも、最近はきれいな建物に入っていて、受付の対応もよいので、ちょっと
見た感じでは中味はわかりにくいと思いますが、保育しているようすを見せてもらうことが大切だと思います」
(東京都子育て推進課)
保育コストの8割は人件費といわれます。0才児を月5万円を切る低料金で保育している
ようなところもありますが、どんな保育体制なのかが問題だと思います。
- 駅型保育所の助成のゆくえ
- 駅型保育所は、厚生省の助成による試行事業で、駅ビルや駅に隣接するオフィスビル等の
通勤に便利な場所に設けられる認可外保育園です(現在、教育関係業界、メーカー、
ベビーシッター会社などが開業)。モデル事業であるということで、以前から助成ストップが
心配されていましたが、12年度より新規参入の助成申請は受け付けないことになりました。
事業を担当するこども未来財団によると「現在助成を受けている施設についてもいずれは
助成が終了し、その場合は認可保育園か、自治体の助成を受ける認可外保育園に
切り替えるか、独自財源で運営することになる。最近認定した施設は基準をきびしくして
いるので、認可が受けられる水準になっている」ということでした。
- 求職中の入園、下の子の育休中の上の子の扱い
- 平成12年2月9日付で厚生省から都道府県・都市部の市あてに出された文書に次のような内容
がありました(原文を簡略化)。
- [求職中の入園]
- 保護者が求職中の場合も保育園に入園申込ができることを入園案内に記載するなど、
周知徹底を図られたい。求職中を理由に入園する場合は、期間に留意し、入園後の求職活動の状況把握に努められたい。
- [下の子の育児休業中の上の子の在園]
- 保護者が育児休業をとる場合、児童福祉の観点から、休業前から在園していた児童
については継続して在園することはさしつかえない。
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